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男はつらいよ・私の寅さん

シリーズ12作(1973年)

●監督
山田洋次

●キャスト
渥美清
倍賞千恵子
岸惠子

■ ストーリー ■


 小学生の頃の親友である柳と久しぶりに再会した寅さんは、再会を喜び昔話に花を咲かせるが、柳の妹で画家をしているりつ子の家で彼女の絵を汚してしまい、りつ子と大ゲンカして険悪な関係になってしまう。しかし、りつ子がとらやを訪れて寅さんに謝罪してから、寅さんは、すっかりりつ子に惚れてしまい・・・。

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■ レビュー ■

 

 1969年日本映画。監督は『学校』『息子』『幸福の黄色いハンカチ』の山田洋次。出演は、渥美清、倍賞千恵子、岸惠子
など。日本を代表する長寿シリーズ『男はつらいよ』の12作目。

 前作までの『男はつらいよ』シリーズでは、久しぶりにとらやに帰ってきた寅さんが、ケンカをして家出してしまうというパターンになっていましたが、本作では、おいちゃん、おばちゃん、さくら、博たちが九州に旅行し、寅さんが留守番をするという変わったオープニングではじまります。マドンナ役には、ファッショナブルで日本人離れしたセンスを持つ岸恵子が登場、純和風な寅さんとは対照的でシリーズ中最も異色の組み合わせかもしれません。とらやの茶の間に似合わないという点では、『男はつらいよ・翔んでる寅次郎』のマドンナ桃井かおりと互角ですが、イモの煮っ転がしをおいしそうに食べるシーンは、上流階級の人間が庶民の食べ物を珍しがると考えればリアルな気もします。女性を相手に本気で怒ることはほとんど無い寅さんですが、りつ子が口げんかを始めるシーンには迫力がありますし、『インテリ女と便所のナメクジほど嫌なものはねえ』と啖呵を切るなど珍しくマドンナに対してマジ切れしているシーンは最高に笑えます。寅さんに似つかわしくないマドンナとの恋愛も面白い作品ですが、画家であるマドンナのりつ子の存在意義を通して、人間にとっての芸術の重要性なども語られ、開発、都市化によって古き良き日本の風景が少なくなってしまった日本の現状、排気ガスなどによる公害の問題を非難するようなセリフも出てきます。そして、裕福だった病院の院長が、欲の無いお人よしだった為に破産状態になってしまったというエピソードには、善人は金持ちにはなれないし、金持ちでも、困っている人の為に散在してしまうような善人は、財産を維持できないという法則のようなものが感じられます。美人で庶民的というマドンナのキャラクターに慣れているファンにとっては、違和感を感じる部分もあるかもしれませんが、『いい友達でいて欲しい』と言われてしまう寅さんの失恋にも現実味があり、70年代のほのぼのとした庶民の雰囲気を楽しめる秀作になっています。

 寅さんが子供の頃に、美人の先生をイジメたエピソードが紹介されていますが、私も中学校の時に、音楽の先生をイジメた記憶があります。中学3年の時に赴任してきた先生が、フォークソングの大ファンで授業にフォークソングを取り入れて、ちょうどロックを聴き始めたばかりの私としては、フォークソングばかり歌わせられるのが死ぬほど嫌だった事と、他の生徒がその先生を大歓迎した事によって、前任の先生の評判が悪くなったのが面白くなかったんですよね。前任の先生は、カリキュラム通りの授業で地味な先生でしたが、がんばって勉強した生徒はちゃんと評価をするいい先生だったので、人間的に大好きで、その先生の時はがんばって音楽の勉強もできました。ですから、私の場合は、イジメた先生が好きだったわけではなくて、前任の先生が好きだったからイジメたんですが、やっぱり後悔してます。謝る機会があったら謝りたいんですけどね・・・。

平和に仲良く暮らすのは、なかなか難しいですね

 サルの群れにもはみ出し者がいてトラブルが絶えないという話には、苦笑してしまいます。はみ出し者のサルと寅さんのイメージを重ねるのは笑えますが、考えようによっては、自分たちを知的生物だと自認している人間も、サルと大して変わらないという事ですから・・・。

甘やかされて育ったから、何やってもダメなの

 両親が裕福で、甘やかされて育った文彦とりつ子の兄妹は、必ず親に助けてもらえるという環境のせいで、大人になっても自立しきれません。厳しくすればいいというものではありませんが、甘やかしすぎると、他人に依存するクセがついてしまって、自分で物事を判断したり解決したりする能力が育たないのかもしれません。

いろんな事に喜びを感じて生きている

 食べて行くだけでも大変だというタコ社長の意見も分りますが、食べる為だけに生きていると考えてしまうと悲しくなってしまいます。美しい音楽や芸術に感動し、人を愛する喜びを知ることも生きる証だと思います。人々に感動を与える為に芸術家が存在しているという考えれば、芸術家、スポーツ選手、俳優などは人に喜びを与える存在ですね。

子供は無心で描くから値打ちがあるのよ

 音楽家、小説家、画家など芸術家は、プロで生活する為に、売れる作品を作ろうと妥協する事もあり、売れるかどうかという打算が作品に悪影響を与える事があります。商業的な打算のある作品は、嘘っぽくて汚い感じがしますが、子供の作品には、そんな打算が無いために純粋な魅力があります。まだ技術を習得する前の作品は技術的には劣るかもしれませんが、純粋な感性から生まれた作品は、商業的な目的で作られた作品より価値があるかもしれません。

話せば話すほど、自分の考えと違う事言ってるみたいな気がする

 コミュニケーションの手段として最も簡単なのは、会話によって気持ちを伝える事ですが、正確に感情を伝えようとすると、言葉の不完全さにイライラさせられることがあります。感情を表現し、考えを伝える為には、言葉というのはあまりにも不完全なものなのかもしれません。

 

名シーン

キレイな先生が怒ったっけなあ

 男って、子供の頃は、好きな人に対して素直に感情が表現できなくて、必ずイジメるんですよ。どうしてあんな事しちゃったかなあと、大人になると後悔するんですけど、イジメられた女の子にとっては、いい迷惑なんでしょうね。なんか、しみじみと共感できるというか、反省させられるというか、心に残るシーンです。

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ガイド

芸術家はみんな貧しいのか?

 芸術と言っても音楽、絵画、小説、舞台などなど様々な分野があるので一概には言えませんが、自分の芸術作品に妥協しない人は貧しい人が多いかもしれませんね。芸術作品が商品となる場合、大衆に受け入れやすい形に手直しされて世の中に出てくる事が多く、妥協できなければ契約を着られてしまう事も多いようです。妥協をせずに本当に自分の作りたい芸術作品を作って、生活できる人は、かなり少ないと思います。

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