大手投資会社に勤務するサラリーマンのハルは、幼い頃に聞かされた父親の遺言の影響で、女性を顔やスタイルでしか評価しない男だった。ある日、ハルは、精神治療の権威アンソニー・ロビンスとエレベーターで一緒になるが、アンソニーは、外見でしか人間を判断できない軽薄なハルの人間性を治そうと催眠術をかけてしまう。催眠術をかけられたハルは、心の美しい人間が美人に見えるようになり、外見が美しくても醜い心を持った人間は醜悪に見えるようになり、ローズマリーという女性に恋をするのだが・・・。

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催眠術を楽しく見る動画 

 

 

　２００１年アメリカ作品。監督は『ふたりにクギづけ』『２番目のキッス』などのファレリー兄弟、主演は、『スクール･オブ･ロック』のジャック･ブラック、『セブン』『大いなる遺産』のグウィネス・パルトロウ。コメディ映画ですが、外見の美しさではなく、人間の内面の美しさを見ることができるようになった主人公が、自分の価値観を見つめ直す感動作です。

　コメディ映画専門のファレリー兄弟の作品の中で、一番感動できる作品だと思います。人間の内面が、そのまま外見に表れて見えてしまうというアイディアによって、外見ばかり気にしている人間が、いかに自己中心的で、軽薄なのかを思い知らされます。ジャック･ブラックの個性が全面的に生かされた作品なので、彼のファンならコメディ映画としても充分に楽しめますし、グウィネス･パルトロウの演じる謙虚でやさしいローズマリーのキャラクターも魅力的です。コメディ作品としても魅力的な映画ですが、いい意味でショックがあり、今までに無い特別な感動を与えてくれる作品なので、特にオススメしたい作品の一つです。

君って非自己チューだよね

　自己チューと言えば、人に嫌われるタイプの代名詞ですが、スタイルがいい、顔がと自覚している人は、どうしても自分にばかり関心が向いてしまい、自分中心に物事を考えてしまいがちです。美人やハンサムな人でも、いい人はたくさんいると思いますが、外見が良くて人気者になってしまうと、どうしても自己中心的な考え方にハマリやすいのかもしれません。外観が良くて人気者でも、それが意外なワナになって人間性がどんどん悪くなっていったら最悪ですね。美人、ハンサム、みんなの憧れの的ですが、本当に人に親しまれるのは、忍耐強く、自分の事より、他人の事を気にするようなやさしさのある人間なんですよね。

病棟の名前は？

　ボランティア活動をするローズマリーに付き合って病院を訪れたハルは、最初は病棟の名前を気にしませんでしたが、催眠術がとけてか病棟の名前を見て愕然とします。外見ばかりを気にしていた今までの自分が、どれほど人を傷つけていたかを反省したのでしょうか、どっぷりと落ち込みます。このシーンでは、私も一緒に落ち込んでしまいました。人間性の良し悪しに比べれば、顔やスタイル、服装なんかどうでもいいことなんだと痛感させてくれます。目の見えない方には、失礼かもしれませんが、偽りの美しさに惑わされて生きているより、いっその事、見えない方がいいんじゃないかと思うこともあります。この作品の主人公のように、人間性がそのまま外観に表れて見えれば最高なんですが・・・。

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