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ウォリアーズ
 
The Warriors

●監督
ウォルター・ヒル

●キャスト
マイケル・ベック
ジェームズ・レマー

■ ストーリー ■


 真夏の夜のニューヨーク。それぞれスタイルの違うストリート・ギャングのグループのメンバーたちが、ニューヨークのギャングのリーダーであるサイラスの呼びかけで、大規摸な集会に集まってきた。ウォリアーズのメンバーも、その集会に来ていたが、サイラスが何者かに射殺され、パニックに陥った時に、ウォリアーズのメンバーが犯人と疑われニューヨークのギャング・グループの全てを敵に回してしまったウォリアーズは、必死の逃亡をはじめるのだが・・・。

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■ レビュー ■

 

 1979年アメリカ作品。監督は『48時間』『ストリート・オブ・ファイアー』などのウォルター・ヒル、出演は、 『ザナドゥ』のマイケル・ベックと、『48時間』のジェームズ・レマー。ニューヨークのギャング・グループの抗争を描いたバイオレンスアクション。

 荒っぽくクールな男の世界を描いた作品が得意なウォルター・ヒル監督作品で、この作品でも男にしか分らないバイオレンスと男の美学が描かれています。1970年代の作品なので、今観ると、かなり古く感じますが、70年代独特の空気が漂う作品で、オフィス街でオシャレなスーツを着て働くサラリーマンを描いたような映画では観られない、カビ臭く、薄汚れた夜のニューヨークの風景が印象的です。男、特に不良の生き方や価値観を熟知しているウォルター・ヒル監督ならではの、リアルなバイオレンス描写は、最近のアクション映画には無い生々しさがあり、バットを振り回しながらの乱闘シーンなどは、計算されたスタイリッシュな格闘シーンというより、本物の乱闘を経験している人でなければ描けないリアリティがあります。主人公のウォリアーズの他にも多数のギャング・グループが登場し、中には、苦笑してしまうようなマヌケなグループもありますが、全体的にはニューヨークのギャングの抗争という緊張感も最後まで途切れず、緊張感のあるバイオレンスアクションを楽しめる作品になっています。本当にヤバそうな連中が登場するので、多分、ほとんどの人は、この映画に出てくるような連中とは関わり合いになりたくないと感じてしまうでしょう。ほんのちょっと、恋愛の要素もありますが、ハッキリと男性向けの作品なので、女性にとっては理解しにくい内容で、女性にはオススメできません。

 実は、私も若い頃に、この映画のような経験をした事があるので、ウォリアーズの気持ちがちょっと分ります。もっとも私の場合、濡れ衣を着せられたわけではなく、本当に半殺しにしてしまったので追いかけられても仕方ないんですが、乱闘のキッカケを作った友達が、『俺たちウォリアーズみたいだな』と笑っていたのにはムカつきました。ケンカの弱いやつに限ってトラブルを起こし、後始末はこっちに回ってくるんですから、たまったもんじゃないですよ。ま、おかげさまで場数を踏んで、この作品に出てくるようなチンピラなんか怖くなくなりましたけど、褒められた事じゃないですね。反省・・・。

いま、何かが欲しい、この短い一生の間に

 その場限りの楽しみを求めて生きている不良娘のセリフですが、何かを探し求める若者の気持ちを代弁しているようにも感じます。もちろん、毎晩違う男と寝て、顔も覚えていないなんてのは、褒められませんが、短い人生で、何も見つけられるずに一生が終わってしまうんじゃないか?という焦り、退屈な人生への嫌悪感などは、共感できる人も多いかもしれません。


 

名シーン

これが必死で帰ってきた所なのか

 町中のギャングを敵に回し、命懸けで帰ってくると、そこにはスモッグで汚れた空気と貧困が蔓延した汚い町の風景。懐かしく安らげる場所であるはずの地元の風景が、汚く、何の魅力も無い土地に感じられてしまう事があります。私も経験がありますが、もし、こんな気持ちになったら、もう、その土地では暮らせません。

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エンディングはジョー・ウォルシュの名曲!

 この作品のエンディングに使われている曲は、イーグルスのメンバーとしても有名なジョー・ウォルシュの名曲『イン・ザ・シティ』。イーグルスのアルバム『ロング・ラン』にも収録されている名曲ですが、この映画ではジョー・ウォルシュのソロで発売されたバージョンが使用されています。エンディングでのウォリアーズのメンバーの気持ちを代弁したような歌詞も印象的です。



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