ヨーロッパを巡業するサーカス団の一員であるローラは、サーカスにもらわれてきた小グマにミーシャと名前をつけて、愛情を注いで育てていた。サーカス団での醜い人間関係に疲れていたローラにとって、ミーシャの存在だけが生き甲斐だったが、ある日、ミーシャは、人間の青年に姿を変えローラに話しかける・・・。

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　２００２年カナダ作品。監督は『モスクワ・天使のいない夜』のセルゲイ･ボロドフ、主演は、レベッカ・リリエベリ。共同脚本で、『天国の日々』『シン･レッド･ライン』などの監督として有名なテレンス･マリックが参加しています。シベリアに古くから伝わる民謡をベースに、人間の少女と熊の恋愛を描いたラブファンタジー作品。

　人間の少女と熊の純愛を、おとぎ話のような雰囲気で楽しめる恋愛映画の秀作です。ヨーロッパを巡業するサーカス団の少女が主人公になっているので、ヨーロッパの美しい風景を楽しめるロードムービーとしても楽しめます。人間と熊が愛し合うというストーリーは、一歩間違えば、キワモノですが、サーカス団の中での人間関係が、人間の醜悪な部分を強調し、そんな醜い人間世界から逃避したいという主人公ローラの心理が、純粋に美しいものを求めるという形で描かれているので、童心を思い出させてくれるような美しい物語になっています。熊のミーシャが人間に変身するシーンは、あえて特撮などを使わずにシンプルに編集され、映像のリアリティを追求するよりも、ファンタジー作品としての雰囲気を壊さないように工夫されている為、紙芝居を観ている様な気分でストーリーに浸れます。また、脚本にテレンス･マリックが参加している事により、おとぎ話のような純愛を楽しみながらも、人間の業の悲しみなども根底に描かれ、深い内容の作品になっているのも見逃せません。更に、スケールの大きいロードムービーとして、ヨーロッパの美しい風景も楽しめますが、ストーリー自体は、かなりシンプルで、派手な作品ではないので、娯楽作品として地味だと思います。カルト的な作品なので、リアルな恋愛よりも現実離れしたファンタジーを楽しみたい、心が洗われるような感動を味わいたいという方に向いている作品だと思います。

神よ、地獄はイヤだ・・・

　自分が悪人だと自覚している人間は、死ぬ間際になって地獄へ行くことが怖くなるのかもしれません。まぁ、自覚があるだけマシで、さんざん悪行を働いて自覚の無い人間は、もっと困りものですよね。

人を殺したら、もう人間にはなれない

　ミーシャは、親を人間に殺されて孤児になり、人間を殺した事によって人間になれなくなってしまいます。無意識のうちに親の敵をとったような、何か因縁めいたもの、生の連続性の中での因果応報の法則が感じられます。

どこでも行くわ

　ローラとミーシャのラブシーン。シベリアを懐かしみながらもローラと一緒にいれば幸せと語るミーシャ、ミーシャの為なら、どこでも行くと答えるローラ、二人の絆の強さが感じられる美しいラブシーンです。

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ベアーズ・キス コレクション BOX -ローラの宝箱- が発売されました

　限定生産のボックスコレクションが発売されています。通常のＤＶＤの他に、●豪華パッケージ仕様●オルゴール（木箱入り）●テディベア ”ミーシャ”●ジグソーパズル●アロマキャンドル●ポストカードセットなどが付属した豪華版で、ベアーズ・キスのファンには最高のプレゼントでしょう。すでに廃盤ですが、アマゾンなどで中古商品が入手可能です。

 

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