1943年生まれ、アメリカ、テキサス州オースティン出身の映画監督で、監督の他に脚本、製作でも映画に関わっています。ハーバード大学、オックスフォード大学で哲学を学んでいてかなり知的な方です。マサチューセッツ工科大学で教授として働きながら、ニューズウィーク誌などでジャーナリストとしても活動。その後、映画学校で映画技術を学び、1973年の『地獄の逃避行』で初監督作品は、後の映画界に大きな影響を及ぼす傑作となり、一躍脚光を浴びます。1978年の『天国の日々』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞し、アメリカ映画の最高傑作と言われましたが、その後、映画界から離れ、フランスフランスの大学で哲学を教えていましたが、『天国の日々』から20年後の1998年の『シン・レッド・ライン』で監督として復帰。映画界への復帰で多くの俳優が出演を志願し、熱狂的な歓迎を受けた、『シン・レッド・ライン』は、ベルリン国際映画祭金熊賞受賞、ニューヨーク批評家協会賞監督賞を受賞。2005年『ニュー・ワールド』でも唯一無二の伝説の監督として、その実力を知らしめました。
黒澤明監督と同じで監督する作品では、必ず自身で脚本を手がけ、監督自身の哲学感、美学を反映させた映画しか撮らないタイプのようです。また、リアリティに対するこだわりが非常に強く、CG映像や、表面だけの映画セットを嫌い、カメラの位置を固定せずに、その場の状況によってカメラアングルを変更しながら撮影するそうです。スタッフ、俳優は大変らしいです。
『天国の日々』から20年間も監督業から離れていたので、もうテレンス・マリック監督作品は観ることができないんじゃないかとあきらめていた方も多いと思いますが、ようやく彼の新作を楽しむ事が出来るようになりました。20年間かけて、彼の中で哲学的な完成があったのかもしれません。
近年、チェ・ゲバラの伝記映画の監督をするというニュースを聞きましたが、監督を降板し、『ニュー・ワールド』を発表しました。個人的には、革命家として全世界の人々から尊敬されているチェ・ゲバラの伝記映画を、伝説の監督テレンス・マリックが撮るという、夢のような組み合わせに期待していましたが、テレンス・マリック監督は、もう革命とか、思想とか、善悪の二元論といったものを超越した世界で作品を制作しているので、仕方がないと思います。『天国の日々』ではまだ完成しきれなかった哲学感が、20年かけて『シン・レッド・ライン』で見事に完成されていると思います。『ニュー・ワールド』も前作同様の哲学観で作られていますが、こういう魂に訴えかけてくる映画を取れるのは、テレンス・マリック監督だけだと思います。
個人的な希望としては、J・D・サリンジャーの小説を映画化して欲しいんですが、無理でしょうか?J・D・サリンジャーの小説に描かれるような哲学感、宗教観を映像化できる監督は、テレンス・マリック監督以外以内と思うんですが・・・。
いつでも映画を楽しみたい!!
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