1991年アメリカ作品。監督は、『イージー・ライダー』のなどのデニス・ホッパー、出演は人気テレビシリーズ『マイアミ・バイス』、『ハーレー・ダビッドソン&マルボロマン』の主演で有名な
ドン・ジョンソン、『ブラッド・ダイアモンド』のジェニファー・コネリー、『ゴッド・アーミー・悪の天使』のヴァージニア・マドセンなど。野心を持つ流れ者の男の犯罪と、全くタイプの違う女性との三角関係を描いたサスペンス作品。
テレビを観るか、●●するぐらいしかする事のない退屈な田舎町を舞台に、銀行強盗、ゆすりなどの犯罪と男と女の欲望を描いた大人の為のドラマです。全編にわたってBGMに使われているブルース・ミュージックも、貧困や差別に苦しむ人間の気持ちを表現しているというよりは、人間の欲望の愚かさを強調するような雰囲気で使われています。80年代に大ヒットしたテレビシリーズ『マイアミ・バイス』の主演で一躍有名になった
ドン・ジョンソンン、アイドル的な人気が高いジェニファー・コネリーの共演で話題になった作品ですが、汚い手を使っても、欲しいものは手に入れようとする強欲な男が、自分には不釣合いな純真な女性に恋をしてしまったら?というテーマで、エロティックなサスペンスが展開していく作品です。デニス・ホッパー自身の経験からなのかどうかは分りませんが、苦笑してしまうようなオチのある作品なので、誰にでも楽しめる作品というよりは、ちょっとひねくれた結末が好きな方に向いている作品です。一般的にはマイナーな作品ですが、ジェニファー・コネリーが、はじめてヌードを披露した作品として一部のファンにカルト的な人気のある作品でもあります。また、悪女役で出演しているヴァージニア・マドセンのヌードシーンもあるので、女優の魅力という意味では男性ファンにとっては、特別な作品かもしれません。もちろん
ドン・ジョンソンのファンの方にもオススメですが、『マイアミ・バイス』で演じたキャラクターとは全く正反対な悪人キャラクターなので、『マイアミ・バイス』のような正義感に溢れたキャラクターは期待しない方がいいでしょう。主演3人の魅力を十分に楽しめて、デニス・ホッパー監督らしい毒のあるオチもクールな作品ですが、観終わった後にハッピーな気分になれる作品では無いので、ハッピーエンドが好きな方は観ない方がいいかもしれません。
自分には不釣合いな清楚で純粋な女性と出会い、その相手が自分に好意を持ってくれたら、もうこれ以上の幸福感は無いというほどの気持ちになると思います。しかし、自分の今までの生き方が善良とは言えず、そんな素晴らしい女性と結婚する資格はないと自覚しているなら、きっと悩み苦しむ事でしょう。個人的に、そんな事がありました。結局、結婚する事はできず、喪失感が大きすぎて立ち直れませんでした。個人的にオススメの作品なんですが、私のように自分の若い頃の悪い生き方に後悔していて、その報いを恐れているような人はオススメできません。
欲しいものは自分でつかむ
意志の強さや行動力を表したセリフに思えますが、この作品では、ちょっと意味が違います。この作品の主人公マードックスは、欲しいものを得る為には手段を選ばないという意味で言っているので、あまり共感できる言葉としては伝わってきません。むしろエゴの強さを強調しているようでゾッとします。世の中で成功している人の多くは、こんなタイプなのかもしれませんね。
落ちるのは怖くない、もう一度這い上がる
失敗、挫折しても、もう一度這い上がろうとする意志の強さを表現したというよりは、ドリーの欲深さ、厚かましさを象徴しています。このぐらい悪い女だと、誰も太刀打ちできないような気がします。こんな女性には関わらない方がいいでしょうね。