１９６９年に自殺未遂を起こして精神病院に入院したハンター・アダムスは、その病院での経験から、笑いによって入院している患者たちの病気が改善する事を知り、医師になる為にバージニア大学医学部に入学する。大学では、実技の授業意外での患者との接触は禁じられていたが、アダムズは、積極的に患者とコミュニケーションをとり、彼のユーモアによる治療のおかげで、患者たちも明るくなっていった。看護婦たちも、そんなアダムズの善意を察して、彼の病院への出入りを黙認していた。そして、アダムズは、現代の病院や医療制度の現状を改革し、無料の病院を作りたいという構想を抱き、同級生で、アダムズが想いを寄せるカリンなどの仲間と共に、大学には内緒で無料の療養所を開くのだが・・・。

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　１９９８年アメリカ作品。監督は『コーリング』『ブルース・オールマイティ』などのトム・シャドヤック 、主演は、『グッドモーニング・ベトナム』『グッド・ウィル・ハンティング』などのロビン・ウィリアムズ。笑いによる癒しの効果を医療に取り込み、無料で患者を治療する病院を開こうとした医師の実話を元にした感動作。

　まず、これが実話だという事に驚かされ、感動します。主人公のパッチ・アダムスは、自殺したくなるほど落ち込んで精神病院に入院しますが、そこで、ユーモアによる笑いが、人間の精神に大きな影響を与える事を知り、入院患者たちから多くの事を学びます。そして、自分の学んだ事を医学で生かす為、医師になることを決意しますが、自分の知性を、自分の利益のためでなく、人を救う事に生かそうとするパッチの生き方には、本当に感動させられます。自分の価値観や、古い慣習にこだわり、パッチを退学させようとする学部長などにはイライラさせられますが、明るく前向きなパッチに共感し、協力する友人たち、患者、そして看護婦の善意には、人間本来の良心が感じられ、心が温まります。１９６０年代後半が時代背景になっているので、エリック・クラプトンの名曲などがＢＧＭに使われていて、クラッシックロックのファンにとっては、懐かしい雰囲気を楽しめるのも魅力です。文句無しの感動作でオススメできる作品ですが、パッチのような医師が、もっと世の中に多ければ、貧乏で医療が受けられずに苦しむ人が減るんじゃないか？そんな事を考えてしまい、ちょっと複雑な気持ちになってしまいます。

 

なぜ、こんな事を・・・

 

　パッチ･アダムズに訪れた最大の試練。あまりにも大きな試練に、パッチは、神に向かって怒りをぶつけ、自分の夢を投げ出そうとしますが、彼の元に、答えが届きます。あまりにも大きな試練に、誰もが涙すると思いますが、彼の元に届いた答えは、悲しみを拭い去り希望を与えてくれます。なぜ、こんな事が起こるのか？と考えてしまうほど悲惨な事件も多い世の中ですが、善人であるがゆえに、試練も大きいのかもしれません。

 

ヌードルのプール

　あまりにも大きな事件によって絶望し、全てを捨てて立ち去ろうとするパッチ･アダムズに、同級生だった医師が助けを求めてきます。食事を摂らなくなった患者に、食事をさせて欲しいと頼まれたパッチは、驚くような方法で対応します。絶望から立ち直ったパッチと、彼のアイディアによって大喜びする患者の表情が忘れられません。

 

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