1995年アメリカ・メキシコ合作。監督は、『ヴァージン・ハンド』のアルフォンソ・アラウ。出演は、『マトリックス』『リプレイスメント』のキアヌ・リーヴス、『ハンニバル』のジャンカルロ・ジャンニーニなど。妻の愛を失った男と、妊娠して男に捨てられた女の恋愛を描いたラブストーリー作品。
キアヌ・リーブス主演の恋愛映画の秀作です。キアヌ・リーブス主演のラブロマンスでは、『スウィート・ノベンバー』『イルマーレ』などが有名で、本作はマイナーな作品ですが、まさに隠れた名作と言える作品で、美しいぶどう園を舞台にした映像美は、邦題の通りに雲の中を歩くような気分にさせてくれます。また、恋愛だけでなく、愛情表現が下手な父親と娘の親子の愛情も描かれていて、親子の情愛を描いた感動作としても楽しめますし、戦争体験によって心に大きな傷を負ったポールの心情などもシリアスに描かれています。心に大きな傷を負いながらも誠実でお人よしな好青年というポールのキャラクターは、キアヌ・リーブスにピッタリ。相手役ビクトリアを演じるアイタナ・サンチェス・ギヨンも親しみやすい癒し系のキャラクターとして魅力的です。そして、厳格な父親を演じるジャンカルロ・ジャンニーニは、脇役でありながらも主人公のキアヌ・リーブスと同等の存在感で作品に重みを持たせています。恋愛映画として、家族の愛情を描いた人間ドラマとして楽しめる隠れたハッピーエンドの名作です。エンディングで希望をもたらすエピソードは、ちょっと大げさ過ぎるような気がしますが、ぶどう園の美しい風景をバックに人間味溢れるドラマが楽しめる名作としてオススメです。
本当にいい作品だと思います。恋愛映画なんでしょうけれど、愛情表現が苦手な父親の感情や、戦争で心に傷を負った人間の繊細な感情なども描かれているので、恋愛映画に興味が無くても人間ドラマとして楽しめます。ジャンカルロ・ジャンニーニが演じる厳格な父親のキャラクターが強烈ですが、その他の家族の人情、優しさは、人間の暖かさにを感じさせてくれるの、何だかホッとさせられます。息子や娘とうまくいかないお父さん、感情表現が苦手なお父さんには共感できる部分が多い筈なので、頑固なお父さんには特にオススメです。
心の声を大切に
どうしようか迷った時は、自分の心の声に従った方がいいかもしれまえん。損得勘定、利害関係を頭で考えて決定しても、大体ロクなことになりません。直感に従った方が物事がスムーズに運ぶような気がします。
もし僕なら?と考えた
父親のアルベルトは、一方的にポールを攻撃しますが、ポールは怒らずにガマンします。もし自分が相手の立場だったら、どう感じるだろうと考えれば冷静な対応ができるかもしれません。人間は主観で物事を考え行動しますが、もっと相手の立場で物事を考えられれば、争いごとは減るような気がします。
新しい命の誕生、それも奇跡じゃないか
物理法則に逆らったような奇跡ばかりが奇跡じゃありません。人間、動物の新しい命の誕生、土から芽を出す植物の生命力も奇跡だと思います。そう考えると、忙しい日常生活で気付かないだけで、世の中は奇跡で満ち溢れているような気がします。