英国諜報員のコードネーム、アイと呼ばれる男は、仕事中心の生活で夫婦生活が破綻し、妻は子供連れて出て行ってしまった。ある日、調査中に、ジョアンナという女性が男を惨殺する現場を目撃するが、アイは、本部に調査報告をせず、彼女を追跡し始める。ジョアンナは、父親に捨てられた過去から精神的に不安定で、殺人を繰り返しては財産を手に入れて、アメリカ国内を逃亡をしていたが、アイは、そんな彼女に運命的な出会いを感じ、追跡しながら彼女を天使のように守り続けていた。警察の捜査が厳しくなり、追い詰められたジョアンナは、アラスカへ向かい、アイも彼女の後を追う・・・。

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　１９９８年アメリカ作品。監督は『プリシラ』のステファン・エリオット、主演は『ステイ』『ブラックホーク・ダウン』などのユアン・マクレガーと『ヒート』『フリーダ』などに出演しているアシュレイ・ジャッド。娘を失った諜報員と、父親に捨てられた殺人鬼の悲恋を描いたロードムービー。サイコサスペンスとも言えますが、純粋な恋愛映画としても最高の作品です。

　アシュレイ・ジャッド主演作品の中ではコレがベスト！。『ヒート』『コレクター』などに出演していた頃のアシュレイ・ジャッドに関しては、ほとんど印象に残りませんでしたが、この作品は強烈でした。高級ブランドに身を包み、ファッショナブルでセクシーな殺人鬼というキャラクターも魅力的ですが、共演のユアン・マクレガーの存在感がかすんでしまうほど、この作品での彼女の演技には神秘的とも言える魅力を感じます。自分の娘の顔もわからない諜報員のアイも悲しいですが、人を殺した後に、『メリー・クリスマス、パパ』と泣き叫ぶジョアンナの姿が悲しくてしかたがありません。サイコサスペンスでありロードムービー、そして恋愛映画としても楽しめる隠れた名作です。

私も守ってくれた天使

　このタイトルは、大ヒットした『氷の微笑』を意識した邦題だと思いますが、この作品の中で、たびたび天使の彫刻がクローズアップされ、ジョアンナのセリフの中にも、自分を守ってくれる天使のような存在を感じている表現が出てくるので、『天使』という言葉を邦題に使ったほうが、作品の本質を表現できるような気がします。この作品の中では、ストーカーのような立場からジョアンナを守りますが、本物の天使でなくても、愛する人を守り導くような人間の存在には憧れます。ま、ストーカーは嫌ですけど。

牡牛座とうお座

　この作品の中では星占いが重要なポイントになっていて、ジョアンナがうお座、アイが牡牛座として描かれています。作者の個人的な解釈かもしれませんが、牡牛座とうお座のカップルの方が観ると、より一層作品の魅力に浸れると思います。実は、私も牡牛座で、かみさんがうお座ですが、正直言って、あまり相性がいいとは思えません。お互い様かもしれませんが、チャンスのたびに足を引っ張られているような気がします。余計なお世話かも知れませんが、牡牛座の方は、うお座のパートナーには要注意です。

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ユアン・マクレガー
アシュレイ・ジャッド
パトリック・バーギン

 

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