１９９３年東アフリカのソマリア。アメリカ軍兵士たちは、現地の独裁者アイディード将軍の幹部を捕らえる作戦を開始、計画では１時間足らずで完了するはずの任務だったが、戦闘ヘリ、ブラックホークが撃墜されてしまい、泥沼の戦闘は朝方まで続くことになる・・・。

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　２００１年アメリカ作品。監督は『アメリカン・ギャングスター』『ブラック・レイン』などのリドリー・スコット、出演は、『パール・ハーバー』のジョッシュ・ハートネット、『氷の接吻』などのユアン・マクレガー、『ハルク』などのエリック・バナなど。ソマリアの内戦に参加したアメリカ軍兵士とゲリラ軍の戦いを描いた戦争映画。

　『地獄の黙示録・特別完全版』を映画館で観たときに、この作品の予告編が上映されていて、公開前から注目していましたが、期待以上の作品でした。とにかく戦闘シーンの映像の生々しさに驚かされます。本当に戦場に紛れ込んでしまったような迫力を体感できるリアルな映像と音声が、これでもか！というほど続き、ハンス・ジマーによるデスメタルと民族音楽を融合させたような個性的な音楽が、映像をより強烈に印象付けています。政治的な背景や国際情勢を知らなくても、戦闘シーンの迫力、生々しさは十分に体感できますが、ソマリアの内戦が舞台になっているので、世界中で起きている内戦、内乱の悲惨な現状を知る機会も与えてくれると思います。私は戦争映画が好きで、かなりの戦争映画を観ているつもりですが、リアルな戦闘シーンという事に関しては、この作品がベストだと思っています。発売と同時にＤＶＤも購入し、何度も観ていますが、何度観ても戦場に居るような緊張感を味わう事ができる作品です。アカデミー賞音響賞を受賞するほど音声がリアルなので、できれば５．１ｃｈで楽しんでいただきたい作品です。反戦や、観念的、思想的なメッセージのある作品では無いので、感動作とは言えませんが、限りなく本物に近い戦闘を描いた戦争映画としては、最高の作品で、ハンス・ジマーの個性的な音楽も、かなりの衝撃だと思います。

仲間の為に戦うんだ

　一歩間違うと、右翼思想に利用されてしまいそうな、情に訴えるセリフですが、人殺しが好きだから戦う、戦争中毒だから戦うといった、非人間的な理由よりは説得力があります。仲間の為、困っている人の為に命をかけるという行為は、本当に気高いと思います。

アイリーン！

　作戦開始の暗号が響き、ヘリが海岸線を飛ぶシーンが印象に残ります。美しい海岸の風景と、戦闘ヘリコプターの重厚で無機質なボディのコントラストが抜群で、作戦がはじまる緊張感に満ちた兵士の心情を表現したような音楽も映像にマッチしています。戦争映画の名場面としては、『地獄の黙示録』のヘリコプターでの急襲シーンが有名ですが、この名場面にも勝るとも劣らない名場面でしょう。

 

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多国籍軍の介入

　この作品では、ソマリアでのアメリカ軍の戦闘が描かれていますが、アメリカ軍だけではなく多国籍軍としてソマリアの内戦を終結させる為に活動していたようです。内政干渉と言ってしまえばそれまでですが、内戦による大量虐殺など、非人道的な行いに対して、人道的な立場から支援、協力した多国籍軍の軍事活動は素晴らしいと思います。ただ、湾岸戦争など、石油の利権がからんだ戦争と比べると、やはり消極的な活動だったような気がします。

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