家庭よりも仕事を優先する仕事人間のテッドは、いつも仕事で帰りが遅く妻のジョアンナは不満を募らせていた。ある日、テッドが帰宅すると、妻ジョアンナは、一方的に離婚を宣告して家を出てしまい、息子とニ人の生活を強いられたテッドは、なれない家事をこなしながら仕事を続けるが、今度は仕事がおろそかになり会社をクビになってしまう。さらに、ジョアンナは、息子のビリーを引き取るために訴訟を起こしてしまい・・・。

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　１９７９年アメリカ作品。監督は『プレイス・イン・ザ・ハート』のロバート・ベントン、出演は、『卒業』『ハッカビーズ』のダスティン･ホフマン、『ディア･ハンター』『マンマ･ミーア』のメリル･ストリープなど。離婚した夫婦が息子の親権を争う姿を描いた人間ドラマ。

　一人息子の親権を争う離婚した両親の姿を描いた人間ドラマの傑作で、アカデミー賞作品賞を受賞した名作です。ダスティン･ホフマン、メリル・ストリープという名優の共演により、重厚な人間ドラマに仕上がっていて離婚という重いテーマについて深く考えさせられる作品になっています。離婚率が飛躍的に上がってしまった現代では、離婚する事に何の抵抗の無い人も多いかもしれませんが、子供が居るのであれば話は別。仕事人間で家庭よりも仕事を優先してきた主人公のテッドが、離婚によって家族の重要性を認識していく物語としても興味深いですが、夫婦の関係の破綻が子供に与える影響が、どれほど大きいかという重要なテーマを扱った名作としても価値があります。離婚を考えている方、悩んでいる方には是非見ていただきたい名作です。

　家族よりも仕事を優先する人間を描いた作品は多いですが、本作の主人公テッドは、自分のわがままな生き方で家族を失ってしまった事を思い知らされて人間性を取り戻します。考えようによっては、これは幸運な事です。子供が成長して自立できる年齢なら、こういう仕事人間だと見捨てられてしまうでしょう。仕事を優先する人はエゴイストで、自分のプライドの為に家族を犠牲にするような人間が多いので自業自得でしょうね。この作品の主人公のように、自分の非に気付き家族の為に生きるという姿勢に変わればいいんですが・・・。

私なんかと結婚したのが間違いよ

　んー、そういう事は、結婚する前に言って欲しいですよねぇ。本作に関しては、仕事の人間だった父親のテッドにも非はありますが、結婚して子供ができた後に、こんなこと言われても困りますよね。自分のエゴで、子供を置き去りにしてしまうような、こういうタイプの人間は一生結婚しないほうがいいんじゃないですかね。

信用できるのは君だけだ

　テッドは、離婚するまでは単なるご近所さんだったマーガレットに対して、絶大な信頼を持つようになります。信頼できる人間が身近にいた事はテッドにとって幸運ですし、信頼されているマーガレットもテッドの信頼は嬉しいでしょう。何かの事件がきっかけで人間関係が強まる事がありますが、苦しい時に見方になってくれる真の友が現れるなら、トラブルも悪くありませんね。