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まほろ駅前多田便利軒
 

まほろ駅前多田便利軒

●監督
大森立嗣

●キャスト
瑛太
松田龍平
鈴木杏
高良健吾

 

■ ストーリー ■

 
 まほろ市で便利屋を営業している多田は、仕事の帰りに中学の時の同級生の行天と再会し、行天はその日から多田の事務所兼自宅に居座ってしまう。多田の仕事を時々手伝うだけで、まともの働こうとしない行天にイラつきながらも多田は、行天を居候として養っていたが、ある日、悪ふざけをして変質者を怒らせてしまった行天が刺されてしまい・・・。

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■ レビュー ■


 2011年、日本映画。監督は、大森立嗣、出演は、『アヒルと鴨のコインロッカー』の瑛太、『舟を編む』の松田龍平、『花とアリス』の鈴木杏、『ボックス!』の高良健吾など。気ままな便利屋を営む男の友情と生き様を描く人間ドラマ。続編『まほろ駅前狂騒曲』も製作されました。

 1970年代を知る人には懐かしさが感じられる人間ドラマだと思います。製作者が意図したのかどうかは分かりませんが、1970年代に日本テレビで放送された伝説のドラマ『傷だらけの天使』に雰囲気がソックリです。私生活でも親友同士だという瑛太さん、松田龍平さんのコンビのキャラクターが本作の最大の魅力だと思いますが、クールなジョークと適度なユーモアを交えて人間味のあるドラマが展開していきます。出演者も豪華ですし、大ヒットして続編も製作されました。まほろという架空の町を舞台に物語が進みますが、東京都町田市をモデルにしているようです。爆笑できるようなコメディでもなく恋愛の要素も無い渋い作品なので、誰でも楽しめる娯楽作品というタイプの作品ではありませんが、瑛太さん、松田龍平さんのファンなら必見ですし、人間味のあるドラマが好きな方なら、結構ハマる人が多いと思います。

 東京都町田市がモデルになっているので町田市在住の方や、近隣の都内、神奈川県在住の方には身近に感じられる作品だと思います。個人的には、町田在住の女性にフラレたり、仕事中に友人が殴られたり、交通事故を起こしたりとか色々と悪い思い出が多いので好きではありませんが、都会にしてはちょっと古臭い建物が多かったり、その分人間味が感じられるとか、なかなか魅力的な町ですよね。私もフラレたりしなければ町田に住んでいたかも。どうしてるかなぁ、京子ちゃん。色白で和風顔の美人でした。

誰かに必要とされるって事は、誰かの希望になるって事

 人生に疲れてしまうと、生きていれば何かいい事があるだろうなんて期待は持てなくなってしまいます。でも、誰かに必要とされているというのは、生きる動機付けになりますね。自分の為に生きるのではなく、自分を必要としてくれている誰かの為になら生きる事ができるかも。

やり直せることなんかほとんどない

 まぁ、現実問題として、タイムマシーンでもなければ過去に戻ることはできませんし、若くなる事もできません。終わった事は、それはそれとして納得するしかないでしょう。今自分に残されている選択肢の中から、出来る範囲で自分の間違いを正して、やり直せることを探して実行するしかないですね。

ハッピーエンドだと思うか?

 フランダースの犬のエンディングシーンに関して行天と多田の意見が食い違います。一般的には、結末が悲しすぎるという意見が多いようですが、どうでしょうか。一般的に、生きている間に報われる、幸せになる事がハッピーエンドの定義だと思いますが、この世に生きている時に不幸だった人は、意外と死んでから報われるのかもしれません。私はハッピーエンドだと思います。死んでみないと分かりませんけど・・・。



 

神様にさえ感謝した

 主人公の多田が、自分の妻や子供に関しての身の上話をするシーン。このシーンは、もしかしたら、瑛太さんのキャリアの中で最高のシーンかもしれません。もらい泣きしていまいます。

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フランダースの犬

 作品中で主役の二人が、『フランダースの犬』のDVDを観て泣くシーンがありますが、このアニメも古い作品で、1975年に放送されていた作品です。おじさん、おばさんなら懐かしく思うかもしれませんが、若い人だと知らない人の方が多いかもしれません。名作です。こちらも是非鑑賞してください。日本映画の実写版では、『スノープリンス 禁じられた恋のメロディ』という作品も公開されています。

 

なんじゃあ、こりゃぁ

 軽トラのガラスを割られた多田が絶叫するシーンがありますが、コレは、松田龍平のお父さん松田勇作さんが若かりし頃に出演していた『太陽にほえろ』というテレビドラマの有名なシーンのパロディです。昭和のドラマなので年配の方にしか分からないネタだと思います。

 

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