1976年アメリカ作品。監督は、『ベスト・キッド』のジョン・G・アヴィルドセン。出演は、『ランボー』シリーズのシルベスター・スタローン、『ゴッド・ファーザー』のタリア・シャイアなど。ボクシング世界チャンピオンと試合をすることになった落ちぶれたボクサーの再起と恋愛を描いた感動作。
もはや古典的な名作と言えると思いますが、この映画テーマ曲を聴いただけで前向きな気持ちになれる方も多いのではないでしょうか。夢を追いながらも、日々の生活に追われて、自分を見失ってしまっている主人公が、偶然手に入れたチャンスをキッカケに人生を取り戻していく姿は、アメリカンドリームを信じるアメリカ人だけではなく、世界中の人々に夢を実現する勇気を与えてくれたはずです。
下町のヒーロー
ロッキーが住んでいるのはいわゆる貧民街で、ボクサーにしてはノンビリした性格で、お人よしのロッキーは、近所の人と気軽に挨拶を交わす普通の下町の住人です。また彼を取り巻く仲間たちも、いわゆる低所得者層ですが、ロッキーの掴んだチャンスを一緒に喜び、応援してくれます。今、日本でも格差社会が進み、私も含めて低所得者層が拡大傾向にありますが、夢を実現しようと貧困に耐えながら努力している人も多いと思います。そんな人たちにとって、ロッキーやエイドリアンは、すごく身近に感じられる存在で、自分たちの代表として夢をかなえてくれる存在なのかもしれません。夢を持ちながらも気力を失ったり、挫折しそうになったりしたら、この映画を観て勇気を分けてもらってはいかがでしょうか?
ダメだ
厳しいトレーニングに耐え、試合に備えるロッキーですが、相手が世界チャンピオンであることを考えると、どんなに努力しても、自分は挑戦者にふさわしい人間ではないという事を痛感します。アメリカンドリームと言っても、あまりにもレベルの違う相手との対戦で、自信を失うシーンにはリアリティがあり、生身の人間の弱さが感じられます。また『最後のゴングが鳴って、まだ立っていられたら・・・』こういう現実的な目標にも好感が持てます。