1978年アメリカ作品。監督は、『ベスト・キッド』のジョン・G・アヴィルドセン。出演は、『ランボー』シリーズのシルベスター・スタローン、『ゴッド・ファーザー』のタリア・シャイアなど。ボクシング世界チャンピオンと試合をすることになった落ちぶれたボクサーの再起と恋愛を描いた名作『ロッキー』の続編。
大ヒット作品の続編にはガッカリさせられる事が多いですが、この作品は、かなり良くできています。3流のボクサーが世界チャンピオンとの試合で燃えつきて、モチベーションが下がり、恋人の反対に悩みながらトレーニングする姿には、夢を追う人なら誰でも直面する問題としてリアリティがあり、1作目の『ロッキー』ほど新鮮な感動は無いものの、目標に向かってがむしゃらに努力するロッキーの姿には、やっぱり感動します。3作目以降は、かなりグレードが落ちていますが、この作品までは名作と呼べると思います。
肉体労働に恨みはないけど・・・
アポロとの試合で多額のファイトマネーを手に入れたロッキーですが、やはりビンボー人の悲しさでしょうか、あっという間に、派手な買い物で現金を失ってしまいます。エイドリアンはボクシングに大反対なので、仕事探しをしますが、資格も経験も無いロッキーは、デスクワークの仕事を希望しても、なかなか希望にあった職にありつけません。できれば、体に負担が少ない仕事をしたいというのは、ほとんどの人の気持ちだと思います。肉体労働が好きな人でも、年齢を重ねて行くほど、肉体労働のつらさが身に沁みてきますから。生活費を稼ぐために働きたい、でも仕事が無い・・・。収入の格差が広がり、失業者が街にあふれる世の中では、ロッキーの苦労は他人事とは思えません。前作『ロッキー』と同様に、庶民の生活を代表したようなロッキーの苦労や、気取が無く、きさくな性格のロッキーに多くの人が共感できたのではないでしょうか?