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THIRTEEN DAYS

●監督
ロジャー・ドナルドソン

●キャスト
ケヴィン・コスナー
ブルース・グリーンウッド
スティーブン・カルプ
ディラン・ベイカー

■ ストーリー ■

 

1962年、ソ連がキューバに核を搭載したミサイルを持ち込んだという情報がケネディ大統領のもとへ届き、緊急の危機管理チームとして国家安全保障会議緊急執行委員会が編成される。この事態の対応として、会議ではミサイル基地への空爆が検討されたが、先制攻撃により第三次世界大戦の勃発につながる危険がある為、ケネディ大統領は、その案を何としても避けた行動を思案していた。彼は、司法長官である実弟のロバート、大統領特別補佐官ケネス・オドネルらの側近と共に、平和的な解決の為に情報を収集し解決策を考えるが、強行的な姿勢を主張する軍部の責任者達は、国家の存亡を理由に、空爆を迫り、核実験、軍事演習などを行ってソ連との緊張を高めてしまう・・・。

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■ レビュー ■

 
 2000年アメリカ作品。監督は『リクルート』のロジャー・ドナルドソン、出演は、オリヴァー・ストーン監督でケネディ大統領をテーマにした映画『JFK』で主演を務めたケビン・コスナー。1962年、世界を震撼させたキューバ危機を描いた作品で、 ドキュメンタリー映画ではないので、脚色されている部分もあると思いますが、人類の存亡に関わる危機感が伝わり緊張感のある作品になっています。

 ケネディ大統領と言えば、歴代のアメリカ大統領の中でも強いカリスマ性があり、存在感が抜群です。そして実弟であるロバート・ケネディもアメリカでは伝説的な政治家として知られ、こちらもカリスマ性のある政治家でした。この二人の強いカリスマ性を出せる俳優を探すのは難しかったと思いますが、外見が似ている無難なキャスティングによって二人のカリスマ性が薄れてしまっているのが残念です。しかし、政治の裏取引、マスコミ対策、世界的な世論への配慮など、生々しい政治の裏側を知ることができるので、一般教養としての政治を学ぶにも最適で、緊張感のあるシーンが多く、身を乗り出して観てしまうほどのスリル、迫力があり、サスペンス系の作品としても最高峰の作品に仕上がっています。ケネディ大統領に関しては、『JFK』『ダラスの熱い日』などでも描かれていますが、この2作品に関しては暗殺事件をテーマにしていて、ケネディ大統領の政治家としての活動は描かれていないので、そういう意味でも、この作品は貴重な作品です。ただし、やはり、政治に関心の無い方より、ある程度の政治知識があった方が楽しめる作品だと思います。

戦争をしたくてウズウズしてる

 アメリカに限らず、軍事責任者は、自国の兵力を使いたくてウズウズしている人間が多いのかもしれません。膨大な予算を投入して戦闘機や戦略武器を保有している軍部にとっては、武器も兵力も使いたいというのが本音なのかもしれませんが、グローバルな視点で考えてから行動してもらいたいですね。ホントに怖いです。

戦争は寺での道義の闘いで決まる

 孫子の言葉をヒントに、国連での優位な立場を確立しようとするケネディ大統領の知性の深さには感心させられます。大統領になるような人間には、人間性も重要ですが、困難な問題を克服する為の知性も必要不可欠です。日本にもケネディ大統領のような知性を持った政治家がいてくれれば・・・、と思うのは私だけでしょうか?

名シーン

善い人々の意思が・・・

 キューバにミサイル基地が作られたことによって、アメリカは、喉元にナイフを突きつけられたような状況となり、実質的にソ連が優位な状況にあったと思いますが、最終的には、ケネディ大統領とフルシチョフ書記長の人間性が世界の危機を救います。二人の偉大な指導者の善意が核戦争の脅威から人類を救ったと言えるかもしれません。ドブルイニン大使がロバート・ケネディにかける言葉が、その事を象徴しているような気がします。

 

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ガイド

国防総省の怒り

 この作品中の国防総省や当時の将軍の描写が否定的で好戦的過ぎるとして、国防総省は、協力を一切拒否した、なんてエピソードもあるようですが、確かに、この作品の中では、平和的な解決を望むケネディ大統領と軍部との対立が強調されているように感じます。しかし、、実際にケネディ大統領や側近が受けていたプレッシャーは、映画で役者が演じているプレッシャーとは比較のしようがないほどの緊張感があったはずですし、軍部の圧力は、この作品で描かれていた以上に強かった事が予想できます。つまり、国防総省としては、痛い所をつかれて逆上したと、解釈するのが妥当だと思います。

ソ連とアメリカの戦争では済まない

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