１９３６年、アメリカ南部のニューオリンズは、暗い不況の真っ只中。ある日、チャニーというみすぼらしい男が町にやってきた。彼は、街中で観衆に取り囲まれた二人のストリートファイターが殴り合い、賭けが行われているのを知り、ストリートファイトのマネージャーをしているスピードに自分を売り込み、ストリートファイトに参加する事になる。特に体格がいいわけでも無く、無口なチャニーは、とても勝てそうに無かったが、翌日の試合で難なく相手をノックアウトしてしまう。そして、チャニーはストリートファイターとして生活して行く事になるのだが・・・。

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　１９７５年アメリカ作品。監督は『４８時間』『ストリート・オブ・ファイアー』などのウォルター・ヒル、主演は、『荒野の七人』『インディアン・ランナー』などのチャールズ・ブロンソン、ケンカの腕だけで生活するストリート・ファイターの人生を描くバイオレンスアクション。

　男性にオススメの作品です。と言うか、女性が観てもあまり楽しめないと思いますし、理解できないと思います。主演のチャールズ・ブロンソンは、長く日本のＣＭに出演していたので、日本でもかなり有名な俳優で、タフな男というイメージが定着していると思います。そのタフなイメージそのままにストリートファイターとして生きる男の生き様を描いた作品で、無口だけれどケンカの腕はピカイチという、男から尊敬される男を演じています。ケンカが強い、義理堅い、金に執着しない、気分次第で気ままに生きているから一箇所で生活できない・・・などなど、男性の方には共感できる要素が多いと思いますが、女性にとっては、こういう気まぐれな性格は迷惑かもしれません。１９７５年作品と古い作品だという事もあって、殴りあいのシーンには、凝った演出や不自然なほどの強さを強調する部分が少なく、生身の人間の殴り合いがリアルに描かれていて、ウォルター・ヒル監督らしい男の美学が反映されています。ウォルター・ヒル監督の初監督作品ですが、後々の作品の原点となる男の生き方が描かれた作品になっています。

負けても、やらないよりはましだ

　主人公のチャニーはめっぽうケンカの強い男ですが、それでも無敵と言うわけではありません。必ず勝てる試合、ケンカばかりではありませんが、戦う前に逃げ出すよりは、負けてもいいから勝負する！そんなチャレンジ精神の強さも、この主人公の魅力です。ケンカをすすめるわけではありませんが、仕事などで何かに挑戦するチャンスが訪れたら、最初から逃げ出したり拒否したりするより、失敗しても負けてもいいから挑戦してみよう！そんな勇気を与えてくれるセリフで印象に残ります。

ジル・アイアランド

　この作品でルーシーを演じているのは、私生活でもチャールズ・ブロンソンの妻だったジル・アイアランド。おしどり夫婦として有名でしたが、１９９０年にジル・アイアランドが他界、妻を失ったショックでチャールズ・ブロンソンが極度に落ち込んで、引きこもりのような生活になってしまったのは有名な話です。

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