マシューズ刑事は、連続殺人犯のジグソウを逮捕するが、彼の部屋に置かれていたモニターには、マシューズ刑事の息子を含む８人の男女が、ジグソウのしかけた殺人ゲームに巻き込まれている映像が映し出されていた。マシューズ刑事は、息子を救い出そうとジグソウを尋問するが、８人の男女は残酷なゲームの餌食になっていく・・・。

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　２００５年アメリカ作品。監督はダーレン・リン・バウズマン、出演はドニー・ウォルバーグ、ショウニー・スミス 、トビン・ベルなど。猟奇殺人鬼による殺人ゲームを描いたサスペンスホラー作品のシリーズ第２弾。

　低予算の作品ながら世界中で大ヒットした『ソウ』の続編ですが、登場人物を主軸に無理やりストーリーをつないだ作品というよりは、１作目の『ソウ』はイントロダクションにすぎず、これから本格的な物語が始まると感じさせてくれる秀作になっています。物語は、１作目からのつながりというよりは、別の展開を見せるので、連続性は感じられませんが、１作目の商業的な成功により、予算が増えたらしく、ホラー映画としての残虐性は前作以上で、生に感謝しない人間、利己的な人間に対する批判というコンセプトも、前作よりも具体的に描かれています。ただし、前作は登場人物も少なくシンプルなストーリーでしたが、本作では、監禁されてゲームを強いられる人間が８人、さらにジグソウを追う刑事など登場人物が増え、人間関係が複雑になってくるので、後々の展開を理解する為にも、登場人物をしっかりと覚えておく必要があります。本作の謎については、４作目で明かされるという展開になるので、1作目から４作目までは、短期間で観た方が理解しやすいでしょう。長編シリーズになり、関連性の無いように思えた全ての登場人物が、最後につながるという物語になっているようなので、最後まで観る気のない方や、あまり複雑な話は苦手という方は、２作目以降はパスした方がいいかもしれません。

生存本能の欠如

　弱肉強食の現代社会では、弱者、貧乏人は生きるのがツライ世の中になっています。人に騙され、裏切られて、生きる気力を失ってしまうのも仕方ないような気もします。利己的な人間が増え続けると、人間の生存本能が弱くなってしまうのかもしれませｎ。

多くの人は、時など気にしない

　命に与えられた時間には限りがあり、年齢を重ねるごとに体力も衰えていきますが、命には限りがあるという事を実感できない人間は、まるで命が永遠に続くかのように、のんびりと過ごし、命の有限性、ありがたみを考えません。残された時間を有意義に使おうと意識しながら生きないと、何もできないまま人生が終わってしまうかもしれません。

自分のこと以外は、どうでもいい

　監禁された８人の男女の中で、ザビエルだけは、自分さえ良ければいいと正直に口に出します。人間的には最悪ですが、考えようによっては、正直なだけマシです。内心は自分の事しか考えていないくせに、八方美人で善人ぶっている人間の方が怖いような気がします。誰にでもいい顔をして本音を話さず、人の陰口ばかり言う人間や、申しわけ程度の金額を募金箱に寄付して善人面しているような人間の方が、業が強くドロドロとした汚い内面を持っているものです。こういう偽善者が一番タチが悪いんじゃないでしょうか。

撮影期間は２５日？

　１作目の『ソウ』は、低予算だったこともあり、１８日間で撮影が終了したそうですが、この作品も２５日間という短期間で撮影が終了したそうです。１作目よりは予算も多くなったはずですが、才能のあるスタッフが協力し合うと、短期間でもいい作品が作れるお手本のような気がします。

ソウ

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