連続殺人鬼ジグソウの遺体を解剖していた検視官が、ジグソウの胃の中から一本のカセットテープを発見。胃の中から発見されたテープには、事件はまだ続くというメッセージが録音されていた。一方、ジグソウの殺人事件で仲間を失ったリッグは、ジグソウの新たなる被験者としてゲームに巻き込まれてしまう・・・。


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　２００７年アメリカ作品。監督はダーレン・リン・バウズマン、出演はドニー・ウォルバーグ、ショウニー・スミス
トビン・ベルなど。猟奇殺人鬼による殺人ゲームを描いたサスペンスホラー作品のシリーズ第４弾。

　深遠なテーマと残虐な映像で大ヒットした『ソウ』シリーズも第４作目となり、マンネリ化が心配でしたが、今まで語られなかったジグソウの過去、２作目『ソウ２』で行方不明になっていた刑事のその後が描かれ、物語の謎が明らかになりはじめます。映画のオープニングから生々しい解剖シーンではじまるなど、グロテスクで残虐な映像は相変わらずですが、今まではキリスト教的な道徳観を基準に描かれていたのに比べて、仏教的な死生観を感じさせるようなセリフもあり、これからのストーリー展開に期待を抱かせてくれます。また、３作目までのジグソウの犯罪の動機は、自分が末期ガンで余命が少ない事を知り、生に感謝しない人間や、他人を犠牲にして生きる人間に対して試練を与えるという設定で、富や名声を持った金持ちが、自分の財力を使って、無知で貧乏な人間をイジメしているようにも感じられましたが、この作品でジグソウの悲惨な過去が語られ、なぜジグソウが人間の善意を試そうとするようになったかという説明が補足されています。そして、この作品で１作目から３作目までの謎のほとんどが明らかにされ、物語に一区切り付くという意味でも重要な作品だと思います。ただ、ゲームに使われる機械などにバリエーションはあるものの、４作目となると残虐シーンや映像の衝撃に斬新さは感じられなくなり、ホラー映画としての刺激を求める人は、そろそろ限界かもしれません。

時の流れは幻想なのだ

　助けを求める悪人に向ってジグソウが、無表情でこんなセリフをつぶやきます。自分の子供を失ったショックからゲームをはじめたジグソウですが、あまりのショックで悟りの境地に至ってしまったのかもしれません。輪廻転生を暗示するようなセリフも出てくるので、仏教的な価値観からゲームが続くのかも。

執念を捨てる事を学べ

　正義感が強く、人を助けたいと願っている刑事が、ジグソウのゲームで学ぶ事は何か？。人を救いたい、助けたいと願う心は素晴らしいと思いますが、何に関しても、あまりにも執念が強すぎると失敗する事もあります。執念という言葉を執着という言葉に置き換えれば、『執着を捨てる事を学べ』という仏教的な価値観としても考えられます。執着が強ければ強いほど苦しみも大きくなるのかもしれません。

エンディングテーマ曲はX JAPAN

　日本を代表するロックバンド、X JAPANがエンディングテーマ曲を提供しています。ホラー映画の挿入歌はヘヴィメタル、デスメタルが主流ですが、メロディアスで一味違った名曲を提供しています。

ソウ

ソウ２

ソウ３

ソウ４

ソウ５

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