■　ストーリー　■

　 １９５０年代、アメリカ空軍のテストパイロット・チーム、ダイダロスの４人のメンバーは、初の宇宙飛行の為に訓練を続けていたが、計画が変更され、１９５８年に初めてロケットで宇宙に行ったのはくチンパンジーだった。それから４０年後、ダイダロスの一員だったフランク・コービンに、ＮＡＳＡから人工衛星の通信システムを修理して欲しいとの要請が入る。彼は、修理ができる技術者が自分しかいないという有利な立場を利用して、４０年前に宇宙飛行の夢を砕かれたダイダロスの４人のメンバーで修理作業を行うという条件をＮＡＳＡに提示、ダイダロスのメンバーが集結する。４人は、宇宙飛行に必要な訓練を重ね、スペースシャトルで宇宙へ旅立つのだが・・・。

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　２０００年アメリカ作品。監督、主演は『ダーティー・ハリー』シリーズの主演として有名なクリント・イーストウッド。その他の出演は、『天と地』『メン・イン・ブラック』のトミー・リー・ジョーンズ、『バック・ドラフト』『コールド・マウンテン』のドナルド・サザーランドなど。かつて宇宙飛行士を夢見ていた４人の老人が、引退の年齢になって宇宙飛行の夢を実現するという物語をユーモアたっぷりに描いた娯楽作。

　老人が宇宙飛行士になるという、あり得ない設定なので、かなり笑える映画ですが、アメリカ合衆国の通信技術がなぜロシアの人工衛星に搭載されているのか？なぜ、ロシアは人工衛星を回収したがっているのか？というなぞが、ストーリーの核心部分になっていて、こちらのオチも、リアリティがあって楽しめます。この作品のテーマは、何と言ってもフランクとホークの友情だと思いますが、老人宇宙飛行士を主人公にして、まだまだ若い連中には負けないぞ！というクリント・イーストウッドの老人たちの気持ちを代弁しているかのようにも感じられます。ダイダロスのメンバー４人の個性も強烈で、地球での訓練のシーンではかなり笑わせてくれますが、宇宙での修理作業をはじめると顔つきが一変して緊張感に満ちた男の顔に変貌するあたりは、ちょっと感動します。クリント・イーストウッド監督作品は、シリアスな映画が多いですが、この作品は、誰でも楽しめる娯楽作品としてオススメできます。

４０年間俺のせいにしてきた

　親友のパイロットであるホークが、無謀な飛行で戦闘機を壊してしまった為に、宇宙飛行士の夢を絶たれたと思っているフランクは、４０年間ホークと絶交状態にありました。チーム、ダイダロスの再結成という形で友情を取り戻しますが、こういうケースは、多くの人が経験しているのではないでしょうか？ケンカの原因は様々だと思いますが、ケンカ別れして相手に恨みつらみを持ったまま生きている人は、ほとんどが不幸な人生を送っているような気がします。許せないほどの裏切りなどの原因があっても、広い心を持って相手を赦してしまえば、心が平和を取り戻し、愛情や、友情を取り戻す事が出来ると思います。ほとんどの場合は、お互いに誤解していて充分に相手を理解していないことから、互いを敵のように思ってしまっているのではないでしょうか？この作品を観たのをキッカケにして、ケンカ別れしてしまった友人や家族と、また信頼関係を取り戻すことができれば、残りの人生を豊かなものにすることが出来ると思います。エンターテイメント性も充分な作品ですが、そういう意味でもいい作品だと思います。

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