南北戦争中の１８６４年、南軍兵士として戦場で戦っていたインマンは、重傷を負って病院に収容されていた。病床で思い出すのは、故郷のコールドマウンテンで、彼の帰りを待つ恋人エイダの事だけだった。病院でエイダからの手紙を受け取ったインマンは、脱走兵として処罰されるのを覚悟で故郷のコールドマウンテンに向かって旅立つことを決意する。インマンの帰りを待つエイダは、父親が急死してしまった為に、生活苦に陥り、近所の人の親切に頼って、何とか生きている状態だった・・・。

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　２００３年イギリス･イタリア･ルーマニア合作。監督は『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー賞を受賞したアンソニー・ミンゲラ。主演は、『ロード・トゥ・パーディション』『オール・ザ･キングスメン』などに出演しているジュード・ロウ、『アイズ・ワイド・シャット』『ピースメーカー』などのニコール・キッドマン。その他、『ブリジット･ジョーンズの日記』のレニー・ゼルウィガー、『レオン』のナタリー・ポートマン、『１９００年』のドナルド・サザーランドなどの豪華な出演者で、アメリカの南北戦争で人生を翻弄される人々を描いた感動作！

　エイダとインマンの恋愛を軸に、南北戦争中に、エイダとインマンの関わった人々の様々な人生を通して、人間の本質的な、愛や悲しみを描いた名作。主人公のインマンが故郷へと向かう旅での景色の映像の美しさにも心を奪われますが、登場人物の個性的なキャラクターも存在感が抜群で、それぞれの感情の動きに、心を揺さぶられます。アンソニー・ミンゲラ監督は、人間の行動の非合理性、計算できない人間の情による行動を描かせると、最高の感情描写力を発揮する監督だと思いますが、個人的には、この作品がアンソニー・ミンゲラ監督の最高傑作だと思います。自分の得になるわけでもないのに、人に施しをする人、ひどい仕打ちをした親に対しても、愛情を持つ娘、自分の人生を犠牲にしてでも愛する人を守ろうとする男などなど、戦争という極限状態の中でも、情によって生きる人間の美しさには、本当に感動します。ただし、戦争という状況の中で生きる為に、ケダモノのような本性をむき出しにする人間の醜さも描かれ、グロテスクな描写も入っているのでＲ−１５指定になっています。私は、すでに１０回以上観ていますが、何度観ても、１年分の感動をまとめて感じられるほど感情が揺さぶられます。

場所じゃなく、誰かに会う為だろ

　もし、故郷に帰れるなら、いくらでも払うというインマンに対して、盲目のピーナッツ売りが、こう言い返します。ほとんどの人がそうだと思いますが、自分の故郷に帰りたい理由は、懐かしい風景に再会したいという想いより、そこに住む友人、肉親、恋人に会いたいという気持ちが大きいのではないでしょうか？

自分で雨を降らせておいて・・・

　ルビーが戦争に対する不満をぶちまけるシーンがありますが、女性にとっては、戦争をしたがる男性の為に、犠牲になるのは、いつも女であり、子供なのかもしれません。自分でトラブルを起こしておいて、後で、慌てはじめる男性社会を痛烈に批判しています。

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ジュード・ロウ
ニコール・キッドマン
レニー・ゼルウィガー
ドナルド・サザーランド
ナタリー・ポートマン

 

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