消防士として働こうと決心したブライアンは、久しぶりに故郷に帰り、地元の消防署で働き始める。ブライアンが所属する１７小隊には、すでに、兄のスティーブンがベテランとして活躍していた。彼らの父親は、かつて消防活動中の事故で殉職、父親の遺志を継いでスティーブンは消防士となり、英雄的な存在になっていた。ブライアンが１７小隊に配属になった頃、連続放火事件が発生、犯人の捜査は難航し、放火による火事で１７小隊も危険な任務が多くなり、ついに犠牲者をだすことになる。そして、犯人の捜査を進めていくと、意外な事実が明らかになっていく。

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消防士という男の生き方

　監督は『アポロ１３』『シンデレラマン』などのロン・ハワード。まさに命がけの消防士の消火活動、救助活動が生々しく描かれ、最近のＣＧを屈指した映像にも負けないほど、火の映像もリアルです。　『スターゲイト』『バニラ･スカイ』のカート･ラッセル、『ミッドナイト･ラン』『グッド･シェパード』のロバート･デ･ニーロ、『羊たちの沈黙』のスコット･グレンなどの名優が、男臭いキャラクターを好演、豪華なキャスティングによって作品に心地よい緊張感があり、エンターテイメントとしても人間ドラマとしても、最高の作品になっています。

　ベテラン消防士スティーブンは、昔堅気の男で、いまだに１９６０年代の音楽を聴き、消防士としての仕事や、仲間、家族の為には、自分の命も惜しまないタフな男ですが、不器用で、表現力が無いため、身近な人を傷つけてしまいます。こういうタイプの人間を１００％肯定することは出来ませんが、男なら、少なからず共感できると思います。今の時代には、色々な意味でこういう男って必要なんじゃないでしょうか？

　アマゾンの映画レビューで、この映画を観て消防士になったという方のレビューがありました。おおげさではなく、本当に、そんな影響力のある映画だと思います。人の人生を変えてしまうような、強烈な人間の生き方の描かれている作品だと思います。『この映画を観て泣けなければ男じゃない！』こんなレビューもありました。んー、同感ですね。

バカな弟で悪かったな

　兄のスティーブンが、弟のブライアンをバカにされて激怒するシーンには共感が持てます。自分がバカにされたり、何とかガマンできますが、仲間や家族をバカにされると黙ってはいられませんよね。

仲間だろ

　とにかく、この一言、このシーンには泣けます。人間同士のつながりが薄くなってしまっている現代社会に生きていると、こういう仲間意識、一心同体なんだという人間関係に感動してしまいます。この映画の最大のテーマ、メッセージは、このシーンにあると思います。

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怪演！ドナルド･サザーランド 　

　放火マニアのロナルドを演じているドナルド･サザーランドは、頭のイカレた放火魔を好演しています。特に『ケダモノの目をみたか？』というセリフのシーンには、ゾッとします。最近、ドナルド･サザーランドの息子キーファー･サザーランドがＴＶドラマで評判になっていますが、まだまだ現役で、最近では『コールド･マウンテン』『スペース･カウボーイ』『ミニミニ大作戦』など、話題作に多数出演し、どの作品でも、存在感は抜群です。

この作品の他に、ベルナルド・ベルトルッチ監督の『１９００年』という映画で、ロバート・デ・ニーロと共演していますが、この作品でも、猟奇的な事件を起こす異常な人間を演じています。この作品は全編で約5時間という大作ですが、残念ながら国内ではＤＶＤ化されていません。

 

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カート･ラッセル
ロバート･デ･ニーロ
ウィリアム・ボールドウィン
スコット・グレン
ドナルド･サザーランド

 

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