1997年アメリカ作品。監督は、ブライアン・スパイサー
、主演は『リーマン・ジョー!』『クライム・アンド・ダイアモンド』などのティム・アレン。贅沢三昧で生きてきた富豪の夫婦が、物質欲を拒否して生きるキリスト教徒の人々との生活の中で、自分たちを見つめなおす姿を描いたヒューマンコメディ。
日本未公開作品ですが、ハートウォーミングなコメディ映画の傑作です。金持ちが、善良な人々との交流から自分の姿を見つめなおすというテーマの作品は珍しくありませんが、この作品では、物質的な価値観を否定するキリスト教徒たちとの触れ合いから、真の友情や愛に目覚めるというストーリーなので、かなり説得力のある感動的なストーリーになっています。ハリソン・フォード主演の『目撃者・刑事ジョン・ブック』が大ヒットして日本でも知られるようになったアーミッシュの村が舞台になっていて、この作品の主人公のように金持ちでなくても、質素に生きる事の重要性など色々と学べる点が多い作品だと思います。ティム・アレンの個性が生かされたコメディ映画としても十分に娯楽性の高い作品ですが、冷え切った夫婦関係を修復するというラブストーリーとして、啓発を与えてくれる感動作としてもオススメできる名作です。最近、伴侶に愛情が感じられなくなった!なんていう夫婦の方には、特にオススメの作品です。
本作では、アーミッシュの人たちの素朴な生活が描かれています。まぁ、映画なので、どこまで正確に描かれているかは疑問ですが、神様を信じて、謙虚に質素な暮らしをしている人には、悪人は居ないんだろうなぁ、と痛感させられました。私は個人的に、こういう生活に憧れます。競争社会の中で人に認められて地位や財産を得ても、傲慢になって人間として堕落するなんて最悪だと思います。むしろ、神様を信じて、自分よりも、家族や仲間を大事に考えて質素な暮らしをする方が、ずっと幸せなんじゃないかなと。強いて難点を挙げれば、布教をしない点です。神様を信じて、人間として素晴らしい生活をしているんですから、知らない人たちにも教えてあげればいいのに。そうすれば、もっと幸せな人を増やす事が出来ると思います。
毎日が新しいはじまり、それが結婚
離婚寸前のブラッドとキャロラインに、アーミッシュの夫婦がアドバイス。夫婦生活が長くなると、結婚当初の感情を忘れてしまって、相手の欠点ばかりが目に付くようになったりしますが、夫婦が一緒に生活できるという事だけでも、実は、凄く幸せな事です。
ニューヨークでは、真の友情が見つかりにくい
ニューヨークと言う言葉を、都会という言葉に置き換えれば、かなり説得力のある言葉になります。先進国の主要都市では人口が過密になり、競争社会が激化しています。ほとんどの人が個人主義を徹底して、他人より上の地位に着こうと必死になっています。平気で人を騙したり、出し抜いても成功したいと思っている人が多い場所では、利害関係を無視した真の友情は見つけにくいでしょうね。