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旅立ちの島唄〜十五の春〜
 
★★★★★
旅立ちの島唄

●監督
吉田康弘

●キャスト
三吉彩花
大竹しのぶ
小林薫

●第35回ヨコハマ映画祭最
優秀新人賞受賞 三吉彩花

■ ストーリー ■

 
 沖縄本島から360kmも離れた南大東島。中学2年生の仲里優奈は、父親と暮らしていたが、優奈の姉も夫と別居中で彼女の娘と共に実家に帰って来て一緒に暮らしていた。母親は沖縄本島で仕事をしていて父親と別居状態。優奈は、家族それぞれの思いがバラバラになっている事に心を痛めていたが、ある日、他校の男子から告白され交際をはじめる・・・。

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■ レビュー ■

 

 2013年、日本映画。監督は、吉田康弘、出演は『グッモー・エビアン!』の三吉彩花、『ふくろう』の大竹しのぶ、『舟を編む』の小林薫など。沖縄本島から360km離れた南大東島を舞台に中学生の女の子の恋愛と成長を描いた青春映画。

 すみません。この作品は個人的にかなり思い入れが強いので採点が甘いです。まず、主演の三吉彩花さんのファンだという点、沖縄出身の友人が多く感情移入が激しい点、BEGINの名曲などが使用されていて挿入歌の魅力が多い点などです。最近の日本映画の中では、かなり泣ける作品としても評価できると思いますし、10代の恋愛を描いた作品では、今時珍しい純愛映画としても名作だと思います。正直な所、観始まってすぐの段階では、うわぁ、しまった、これはモロにご当地映画というレベルの作品に当たってしまったと後悔しました。エキストラの存在感が凄くて、島の言葉、雰囲気に慣れるまでに時間がかかり、有名な俳優が三吉彩花さん、大竹しのぶさん、小林薫さんの3人だけなので、大竹しのぶさんが出てくるまでは、ドキュメンタリー系の作品かと思ったぐらいです。でも、ベテランの二人の重厚な演技と、新人とは思えない三吉彩花さんの名演によって、映画の後半にはかなり感情移入して、クライマックスシーンでは涙が止まらなくなります。三吉彩花さんは、三味線と歌を実際に吹き替え無しで披露してくれていますが、コレも素晴らしい。やはり、実際に演奏していない映画だと、どうしても演奏シーンにリアリティが欠けてしまいますが、三味線にも歌にも、しっかりと感情が込められていて、クライマックスの演奏シーンも本当に感動的です。恋愛映画としても上質で、中学生の頃の幼い恋愛感情の感覚を思い出させてくれます。親の視点からも、子供の視点から観ても感動的な物語だと思います。劇的な恋愛ストーリーや、意外な展開、結末などはなくて淡々と物語りは進んでいきますが、何度も何度も観たくなる魅力を持つ名作だと思います。

 優奈な告白されるシーンがありますが、中学生の頃って、こういう事は多いですね。肝心な時に邪魔が入るとかも良くあるパターンです。もう一言、あと2秒というタイミングで見事に邪魔が入るのはなぜでしょうか?で、結果として邪魔に入った人間って親友だったり、身内だったりして、しかも悪気はないんですよね。だから怒るわけにもいかないし・・・。そして、自覚していなくても、そんな邪魔者に自分もなっているんですよね。最悪のタイミングで。これは天使の仕業なのか?悪魔の仕業なのか?判断が難しいところですが、そういう邪魔が入って成就しないものは、運命だったとか、実はそれが最善の道だったと考えて納得するしかないですね。多分、結ばれる相手というのは、どんなに邪魔が入っても結ばれるんでしょう。

 

何人帰ってくるかな

 島に限らず進学や就職で地元から去る人は多いと思く、大学に進学して大企業に就職したりすると地元には帰らず都会での生活をはじめる人も多いと思います。親しい友人や家族と一緒に暮らしたいという気持ちの方が勝れば帰郷するんでしょうけど、自分の生まれ故郷が嫌いな人もいます。過疎の問題は、人間のエゴが強くなっているせいなのか、田舎の風習の閉塞感のせいなのか、おそらく、両方なんでしょうね。

家族は一緒にいないと

 近年、昭和の時代と比べて雇用形態が変化して、共働きや出稼ぎをしないと暮らせない家庭が増えています。家族が一緒に暮らすという当たり前の事が難しくなっています。でも、経済的に裕福になっても家族がバラバラになってしまうなら豊かな暮らしなんて意味ないですよね。子供がいる人なら、自分のエゴよりも子供の気持ちを一番の考える事も重要かもしれませんね。




付き合ってる人とかいる

 一番の見所はクライマックスの演奏シーンですが、優奈が告白されるシーンも印象に残ります。なかなか視線を合わせることができない緊張感とか、ティーンの頃ならではの純情な表情が印象的な名場面です。

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BIGINの名曲も


 優奈が島の宣伝活動の為に沖縄で歌うシーンでBIGEIの『島人ぬ宝』を歌い演奏します。エンディング曲は、『春にゴンドラ』どちらも名曲です。

 

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