2007年日本映画。監督は、『リンダ リンダ リンダ』の山下敦弘、出演は『海街Diary』の夏帆、『ハルフウェイ』の岡田将生など。第20回講談社漫画賞受賞したくらもちふさこさん原作のコミックを実写映画化した青春映画。
この作品で初の主演を努めた夏帆さんが、第31回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。夏帆さんの抜群の存在感と演技力が光る作品で、本当に彼女は、この作品に主演する為に生まれてきたんじゃないかと思うほどの適役です。夏帆さんをはじめ原作のイメージにマッチしたキャスティングによって原作の魅力を損なわず、実写映画ならではの田舎町の美しい映像によって、この作品の癒しの魅力が最大限に表現されていると思います。脚本に若干の変更はあるものの、コミック原作の実写映画で、これだけ完成度の高い作品は珍しいと思います。原作通りに忠実に描かれたほのぼのとした田舎町の雰囲気に癒される名作で、何度観ても癒される作品です。ロケ地は、島根県なので方言や風景は地元出身の人には最高だと思います、島根県出身でなくても田園風景などには田舎の共通の風景があり、地方出身の方には懐かしさが感じられる風景が多いと思います。また、都会育ちの方には、田舎町に旅行しているような気分に浸れるという楽しみ方もできると思います。田舎町の小中学生の生活を淡々と描いただけの作品で派手な映像やアクション、驚くようなストーリー展開などはありませんし、恋愛は描かれていますが、ドラマティックな恋愛映画ではないので、田舎町のほのぼのとして生活を満喫する作品として楽しみましょう。忙しい日常生活に疲れている方、旅行に行きたくても休みが取れない多忙な方には特にオススメの名作です。
ここまで不便な場所ではありませんが、私も田舎生まれなので、田舎暮らしの良し悪しは実感できます。まず、電車、バスの本数が極点に少ないので高校生までは自転車で移動しなければなりませんでした。まともな服を買うにはバスで1時間かけて大きな街に行く必要がありましたし、今ならインターネットを利用して通販で買い物が当たり前ですが、洋楽のアーティストのアルバムを買う為に3時間半かけて電車で東京に行く必要がありましたし、外国のミュージシャンのライブを観る為に東京に行くと帰りの電車に間に合わない・・・。色々苦労しました。でも、子供の頃は、近所の子供たちとはみんな仲良しで、釣りをしたり、知らない場所を探検したりして、たっぷりと遊べましたし、乱暴で近所の子を泣かしたり、火事を起こしたりして問題児だった私にも大人の人たちは寛大でした。残念ながら同級生でカワイイ女の子はいませんでしたが、この作品を観ると、子供の頃を思い出してホッとします。
みんな家族みたいです
田舎だと近所の人は全員顔見知りで、特に個人的なトラブルがあったりしなければ誰とでも挨拶しますし、家族や親戚のように家に上げてもらう事も普通です。こんな風に、みんなが家族のように暮らせる社会というのが理想ですね。
悪気はなあのに、周りの人をよう傷つけてしまう
デリカシーの無い人特有の悩みですね。本当に悪気は無いので仕方無いんですが、周囲に配慮が足りない、洞察力が無いから余計な事を言ってしまうんでしょうね。この映画では友達同士の距離、恋愛関係での距離、親子、兄弟の距離感、雰囲気なども繊細に描かれているので、デリカシーの無い人には勉強になると思います。
なんじゃろ、ホッとする。ああ、人が見えんけぇじゃ
私は別に都会の生活を嫌ってはいませんが、あまりにも過密で人が多いとストレスが増えるとか色々と問題が出てきてしまうようです。特に田舎で生まれた人にとっては人の多い場所に慣れるのに時間がかかるかもしれません。休日に自然の多い場所に出かけるのも、そのせいかもしれませんね。
もうすぐ消えてなくなるかもしれんと思やあ、些細なことが・・・
子供の頃は、特に意識もしていませんし、毎日同じような日が続くようなイメージで生きていますが、年をとると、同じ時間は2度と来ない、一瞬、一瞬が今しかない貴重な時間だという事が分かるようになります。『永遠の0』という映画でも同じようなセリフが出て来ますが、特に、死期が近くなった事を感じると些細な事が全て美しく、愛おしいものとして輝いて見えるようになります。何気なく生きている日常が本当に素晴らしい事だと実感できれば、きっと神様に感謝したくなりますよ。