人類とコンピュータの全面戦争という審判の日を阻止してから１０年、母親のサラを病死で亡くしたジョンは、いまだに不安と恐怖に悩まされて放浪生活を送っていた。そして、恐怖から不眠に悩み、逃げるように放浪しているジョンの元に、サイボーグ、ターミネーターT-Xが未来から送られてきて、彼に関係する人間を次々に殺し始める・・・。

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　２００３年アメリカ監督は『Ｕ−５７１』などのジョナサン・モストウ、出演は『ターミネーター』『キンダガートン・コップ』などのアーノルド・シュワルツェネッガー、『若草物語』『ブロークダウン・パレス』などのクレア・デインズ、『イン・ザ･ベッドルーム』のニック・スタール。近未来のコンピュータと人間の戦争をテーマにしたＳＦ作品のシリーズ３作目。

　前作『ターミネーター２』で完結かと思われましたが、続編が製作されました。『ターミネーター２』の結末では、主人公サラ・コナーの息子ジョンの存在はどうなるのか？という矛盾点が残りますが、そのタイムパラドックスをうまく使った脚本で、ド派手なアクションと近未来のコンピュータシステムの脅威をリアルに描いた作品になっています。次回作『ターミネーター４』へのつなぎ的な物語のような意味も強いと思いますが、運命を自分の意思で変えようとする人間と、人間の力では変えられない大きな流れというテーマを根底に描かれ、意外なオチも用意されています。ターミネーター役は、１作目から演じているアーノルド・シュワルツェネッガーが圧倒的な存在感を見せていて、悪役のサイボーグとしてモデルのような美人女優クリスタナ・ローケンを起用、大型工事車両が町を破壊するシーンなどは、かなり派手な映像が楽しめて、エンターテイメント性も考えられていますが、人類滅亡というテーマを扱った作品にしてはスケールが小さく、『ターミネーター２』でのサラ・コナーという存在感のあるキャラクターを失い、さらに、ジョン・コナー役を演じたエドワード・ファーロングが降板してしまった為に、主人公の存在感が弱く魅力に欠けるのが残念です。シリーズ中で最も地味なイメージの作品ですが、異色と言えるエンディングが用意されているのが最大の見所でしょう。

審判の日は不可避

　人類滅亡をテーマにした作品のほとんどは、人類の存亡に関わる重大事件を人間が解決するというストーリーですが、人間の手に負えない問題も多いと思います。問題を解決したと思っていても、実は、先に延ばしていただけで、審判の日のような大きな試練は避けられないのかもしれません。

怒りは絶望に勝る

　弱気なジョンをターミネーターが怒らせる場面が、この作品の中で一番印象に残ります。絶望的な気分になり気力を失ってしまっていても、怒り出すと、信じられないようなエネルギーが湧き上がってくるものです。八つ当たりや暴力はオススメできませんが、気力が低下している時は、自分の不甲斐なさや世の中の理不尽さに目を向け、怒りのエネルギーで、生命力を取り戻してみてはいかがでしょうか？

シリーズは続く・・・

２００９年に続編である『ターミネーター４』が公開になり、更に続編の製作が計画されているようです。続編では、『バットマン・ビギンズ』『ダークナイト』などに主演しているクリスチャン・ベイルが主演を努め、コンピュータと人間の戦争がメインに描かれています。

●ターミネーター

●ターミネーター２

●ターミネーター３

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