ファンクとハードロックの融合
1985年に結成、ゲイリー・シェロン(Vo)、ヌーノ・ベッテンコート(G)、パッと・バッジャー(B)、ポール・ギアリー(Ds)の4人のメンバーで1989年『エクストリーム』でアルバムデビュー。1990年に発表されたアルバム『ポルノグラフィティ』からのシングル『モア・ザン・ワード』が全米1位に耀き、人気を不動のものとします。その後も『スリー・サイズ・トゥ・エヴリ・ストーリー』『ウェイティング・フォー・ザ・パンチライン』と名盤を発表しますが、ギタリスト、ソングライターとしてバンドの中心的な存在だったヌーノ・ベッテンコートが脱退、ヴォーカルのゲイリー・シェロンがヴァン・ヘイレンに参加し、バンドは解散してしまいます。その後、ヌーノ・ベッテンコートはソロ活動、ドラマ・ゴッズなどのバンド活動をしていましたが、2007年、エクストリームを再結成。アルバムを発表し、活動を再開しました。
エクストリームが結成された1980年代は、ヘヴィメタルが人気絶頂で、LAメタルなどの人気の影響もありヘヴィメタル・バンドとしてデビューしていますが、他のヘヴィメタル・バンドとは違い、ファンクの要素を大胆に取り入れた個性的なサウンドと、ヌーノ・ベッテンコートの革新的なギターテクニックによって、日本でも絶大な人気がありました。レコード会社の意向でしょうか?ヘヴィメタルブームに乗ってプロモーションを展開していたので、デビュー当時のファッションは完全にヘヴィメタル風でしたが、『モア・ザン・ワーズ』大ヒットしてからは、ヘヴィメタルを意識しない個性的でハイセンスなファッションセンスの衣装になりました。
ヴァン・ヘイレンのヴォーカリストとしてスカウトされるほどの実力派ヴォーカリストのゲイリー・シェロン、ハードロックにファンクの要素を取り入れ、強烈なテクニックと作曲能力を持つヌーノ・ベッテンコートのコンビは、他のハードロック・バンドとは全く違ったグレードのバンドでした。ドラマーのポール・ギアリーのドラミングは、人間性を反映させているのでしょうか、誰にもマネのできないスケールの大きいプレイで、バンドのサウンドに安定感と威厳を与えています。再結成したエクストリームにはドラマ・ゴッズのドラマーだったケヴィン・フィグェリドが参加、ポール・ギアリーのドラムを聴けないのが、ちょっと残念です。
ギタリストのヌーノ・ベッテンコートは、ギター、作曲、ファッションのセンスが抜群ですが、かなり小柄で、手も小さいようで、ヌーノ・ベッテンコート・モデルという、ヌーノの体型に合わせたギターを愛用しています。このモデルは、ワッシュバーン製でヌーノ・モデルN2からヌーノ・モデルN6まで進化していますが、手の小さいヌーノに合わせたネック、ボディのデザインと、ヌーノのアイディアが反映された機能が搭載され、ヌーノ・ベッテンコートのファンから、手の小さいギタリスト、女性などにも大人気のモデルとして、日本でも定番のギターになっています。私も小柄で手が小さいので愛用していますが、弾きやすいだけでなく、本当に音がいい!手が小さい為に、なかなかギターの上達しない人にはオススメのギターです。