元祖モッズスタイル
1964年、ピート・タウンジェント(G・Vo)、ロジャー・ダルトリー(Vo)、ジョン・エントウィッスル(B・Vo)、キース・ムーン(Ds)の4人で結成されたイギリスのロックバンド。後のパンクロックなどにも多大な影響を与えるモッズスタイルのバンドで、ギター、ドラム、アンプなどをステージで破壊するパフォーマンスをはじめた最初のバンドでもありますが、文学的な歌詞、多種多様な音楽的なアイディアは、後の多くのミュージシャンに影響を与えました。
老いぼれる前に、くたばりたい!
ザ・フーの代名詞となっている『マイ・ジェネレーション』の歌詞は、イギリスの労働者階級の若者をはじめ、世界中のロックファンに影響を与え、これぞ、ロックの精神!という感じで、ロックファンの絶大な支持を得ました。また、恋愛の歌詞ばかりでなく、文学的で、哲学的な歌詞は、多くのミュージシャンにも影響を与え、ロックの可能性を切り拓いたという功績もあります。サウンド的には、耳をふさぎたくなるほどの大音量で演奏し、ギターを叩き壊し、アンプをブッ倒すパフォーマンスは、ロックの象徴のようになり、派手なパフォーマンスばかりが目立つバンドですが、ジョン・エントウィッスルとキース・ムーンのリズムセクションは、かなりのテクニックで、ステージでも安定した演奏ができるバンドでした。ピート・タウンジェントのギターテクニックは、スパーギタリストと呼ぶほどのものではありませんが、作詞、作曲のほとんどを手がけ、ザ・フーの音楽的なリーダーであり、ロックオペラのアルバム『トミー』、コンセプトアルバム『四重人格』など、先進的なアイディアを取り入れた偉大なクリエーターとして認められています。また、手を風車のように振り回すステージアクションなど、後のロックギタリストにパフォーマーとしても多大な影響を与えています。そして、ロジャー・ダルトリーは、ピーと・タンジェントの作る多様な楽曲を、表現力豊かに歌い上げ、レッド・ツェッペリンのヴォーカリストであるロバート・プラントなどと同じように、ロックヴォーカリストのスタイルを築き上げました。
フーってどうなの?
派手なパフォーマンスが有名なバンドですが、なぜか日本では人気が無く、長い間来日公演も実現しませんでした。パンクファンにとっては、楽曲がポップすぎるし、ハードロックファンにとっては、ギターが弱すぎる、さらに、ピーと・タンジェントが作る文学的で実験的なサウンドが理解されないなどの理由からかもしれません。私の友人の中にも、聴かず嫌いのロックファンが多く、そういうロックファンにはアルバム『フーズ・ネクスト』や、DVDで発売されている『キッズ・アー・オールライト』や、『ウッドストック』をすすめるようにしています。日本人好みだと思うんですけどねぇ・・・。