原点回帰の成功

　１９８０年発売、クイーンの通産８枚目のオリジナルアルバム。『プレイ･ザ･ゲーム』『地獄へ道づれ』『愛という名の欲望』『セイブ･ミー』などの大ヒット曲を収録。ロックミュージックにオペラを導入するなど、画期的なアイディアと独自の空間表現力を持つバンドとして人気の高かったクイーンですが、このアルバムでは、ロックミュージックの原点に帰った様なシンプルなロックナンバーが多く、原点回帰を感じさせる名盤になっています。

　アルバムのオープニング曲『プレイ・ザ・ゲーム』は、宇宙空間の広がりを感じさせるような独特の想像力がありますが、それ以外の曲は、意外なほどシンプルなロックナンバーでまとめられたアルバムで、フレディ･マーキュリーの曲が３曲、ブライアン･メイが３曲、ジョン･ディーコンが２曲、ロジャー･テイラーが２曲と、４人のバンドメンバーの曲がバランス良く収録されているので、４人のメンバーの個性、ライターとしての才能が偏り無く反映されています。前作までの独創的なアレンジの楽曲に慣れているファンにとっては、淡白な印象を受けるアルバムかもしれませんが、ロックの原点に戻ったようなシンプルでソリッドなサウンドは、シンプルなサウンドが好きなロックファンにとっては、最高のアルバムだと思います。

　ヒット曲が多いアルバムですが、何と言っても『地獄へ道づれ』のベースラインは有名で、ロックファンなら知らない人はいないはず。特にベーシストなら誰でも、この曲のフレーズを弾いた事があるんじゃないでしょうか。初心者のギタリストなら、レッド・ツェッペリンの『天国への階段』、ディープ・パープルの『スモーク･オン･ザ･ウォーター』を弾いてしまうように、ベーシストなら、この曲のフレーズを弾きたがります。イギリスの楽器店では、『天国への階段』『スモーク･オン･ザ･ウォーター』は演奏禁止だそうですが、ベーシストが、この曲を弾きたがるのも困ったもんです。私はドラムをやっていたので、結構ウンザリしています。

　  　

 

■　ザ･ゲーム　■

　シンプルな曲が多いアルバムの中で、最もクイーンらしい独創性が感じられる名曲です。宇宙空間に迷い込んでしまったような錯覚に陥ってしまうイントロから、フレディ･マーキュリーの歌唱力を生かしたメロディラインも印象的で、これぞクイーンサウンド！と納得できる名曲です。全体的にシンプルなアレンジが多いアルバムですが、この曲だけは、クイーンらしさが強調されていますね。

アナログレコードは、まだ買えます。楽天で探しましょう！

高音質ＤＶＤオーディオあり

　このアルバムも高音質ソフトＤＶＤオーディオで発売されていました。現在はＤＶＤオーディオの規格自体が無くなってしまい廃盤になり入手困難になっています。クイーンのアルバムでは、『オペラ座の夜』もＤＶＤとして発売されていますが、『オペラ座の夜』が比較的入手し易いのに比べると、このアルバムのＤＶＤオーディオは、かなりのレアアイテムで、オークションなどでも滅多に見つかりません。ボーナストラックや、特典映像などは収録されていませんが、収録曲の半分が大ヒットシングルという名盤を高音質で楽しめるというだけでも貴重なアルバムで、クイーンのファンなら絶対に買って損は無いアルバムです。最近は、アマゾンなどでも見つからないので、海外のアマゾンや、オークションなどで気長に探せば見つかるかもしれません。

 

USENが提供する音楽ダウンロードサービス、まずは無料試聴を。
【OnGen USEN MUSIC SERVER】

 

カスタム検索