イギリス、ロンドンにある病院に身元不明のロシア人少女が運び込まれ、少女は子どもを出産した後に息を引き取ってしまう。助産師のアンナは、生まれた赤ん坊を遺族に引き渡す為に、少女が遺したロシア語の日記を叔父に翻訳してもらうが、そこには、ロシアン・マフィアの人身売買やレイプなどの犯罪の証拠が書き残されていた・・・。

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　２００７年、アメリカ・イギリス・カナダ合作。監督は『ザ･フライ』『裸のランチ』などのデヴィッド・クローネンバーグ、出演は、 『インディアン･ランナー』『オーシャン･オブ･ファイアー』の ヴィゴ・モーテンセン、『ステイ』『ハッカビーズ』のナオミ･ワッツ、『ドーベルマン』『オーシャンズ１３』のヴァンサン・カッセルなど。 ロンドンの町で暗躍するロシアン･マフィアの実態を描いたバイオレンスサスペンス。Ｒ−１８指定作品。

　粘着質で毒のある映像を得意とするデヴィッド・クローネンバーグ監督と、鋭い眼光でマフィアのキャラクターを演じさせれば右に出るものがいない ヴィゴ・モーテンセンが組んだバイオレンス作品なので、ゾッとするほどリアルなバイオレンスシーンが多く、 ヴィゴ・モーテンセンの全裸での乱闘シーンで、彼のヌードを楽しみたいという女性ファンを興味を除けば、完全に男性向けの作品です。寒々としたロンドンの風景とロシアンマフィアの冷酷なバイオレンスが描かれているので、全体的に暗く、楽しい気分にさせてくれうような作品ではありませんが、 ヴィゴ・モーテンセンの存在感、迫力の演技は圧倒的で、乱闘シーンの迫力はもちろん、細やかな感情を目で表現する演技は、思わず身を乗り出して観てしまうほどリアルで、アンナを演じるナオミ･ワッツの母性的な存在感は、暗い作品に中で唯一癒しを与えてくれています。映画の終盤で意外な展開も用意されていて、サスペンス作品としても、バイオレンス作品としても秀作ですが、恋愛的な要素や、ユーモアはほとんど無いので、明るい娯楽作品を楽しみたいという方には向かないと思います。また、Ｒ指定の作品なので、子供には見せないほうがいいでしょう。

怒りは危険だ、人をバカな行動に走らせる

　マフィアや乱暴な人でなくても、怒りによって自制心を失ってしまうと、とんでも無い行動に出てしまことがあります。怒りによる衝動によって、敵意をむき出しにして暴力をふるってしまうと、後で取り返しのつかない事になることもあります。

持つべきものは信頼できる男だ

　信頼できるパートナーと言い換えてもいいと思いますが、仕事にしてもプライベートにしても、信頼できる人間と生活していないと、酷い目に遭うことがあります。平気で嘘をつく人間、約束を守らないような人間とは関わらない方がいいでしょうね。

 

私の小さなエンジェル

　母親を失い、孤児になってしまった赤ん坊を、アンナが自分の子供のように抱え挙げるシーンが印象的です。バイオレンス作品なので、血なまぐさいシーンの多い映画ですが、この場面だけは癒しを感じさせてくれます。

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