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●監督 山田洋次 ●キャスト 渥美清 倍賞千恵子 竹下景子 淡路恵子 柄本明
●監督 山田洋次
●キャスト 渥美清 倍賞千恵子 竹下景子 淡路恵子 柄本明
ローカル電車で旅をしていた寅さんは、線路に横たわり自殺しようとしていたサラリーマンの坂口と知り合い、相談にのってやるが、坂口は、すっかり寅さんになついてしまい、一緒に旅行して欲しいと懇願する。しかし、坂口は、音楽の都として有名なオーストリアのウイーンへの旅行を計画していて、それを知った柴又のさくらたちは困惑する。断りきれずにウイーンにやってきた寅さんは、食事の好みも合わず言葉が通じないウイーンでふてくされていたが、街でツアーガイドをしている日本人の久美子と出会い、すっかり上機嫌になる・・・。 ●日本映画特集のページへ
ローカル電車で旅をしていた寅さんは、線路に横たわり自殺しようとしていたサラリーマンの坂口と知り合い、相談にのってやるが、坂口は、すっかり寅さんになついてしまい、一緒に旅行して欲しいと懇願する。しかし、坂口は、音楽の都として有名なオーストリアのウイーンへの旅行を計画していて、それを知った柴又のさくらたちは困惑する。断りきれずにウイーンにやってきた寅さんは、食事の好みも合わず言葉が通じないウイーンでふてくされていたが、街でツアーガイドをしている日本人の久美子と出会い、すっかり上機嫌になる・・・。
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■ レビュー ■
1989年日本映画。監督は『学校』『息子』『幸福の黄色いハンカチ』の山田洋次。出演は、渥美清、倍賞千恵子、竹下景子、淡路恵子、柄本明など。日本を代表する長寿シリーズとなる『男はつらいよ』シリーズの41作目。 日本全国を旅する寅さんを描いた『男はつらいよ』シリーズがいよいよヨーロッパへ?。国内の名所や美しい風景を楽しめるというのも『男はつらいよ』シリーズの楽しみの一つですが、今回は、何とオーストリアのウイーンが舞台になっていて、ウイーンの観光名所ガイドとしても楽しめる作品になっています。なぜ?いきなりウイーンなのか?という疑問が出てきますが、当時のウイーン市長が『男はつらいよ』シリーズの大ファンで、熱心に撮影地として招致したことから実現したようです。やはり、日本の風景に溶け込む寅さんに慣れているファンにとっては違和感を感じる場面も多いですが、美術館に展示されているブリューゲルの絵、モーツァルトの音楽、有名な建築物、ドナウ川の美しい風景など、ウイーンの魅力を十分に楽しめる作品なので、今までとは違ったロードムービーとしても楽しめます。内容的には、爆笑ネタはもちろん、愛情の深さが、国籍の違いや文化の違いなどの障害を乗り越えるというテーマをメインに、サイドストーリーとして描かれる坂口の恋愛も感動的です。マドンナ役で出演している竹下景子は、『男はつらいよ・口笛を吹く寅次郎』『男はつらいよ・知床慕情』にも出演し、本作で3回目の出演ですが、マドンナ役としては寅さんとの相性も最高で、『男はつらいよ・知床慕情』にも出演している淡路恵子の好演が、ヨーロッパ観光ガイド的な軽い作品にならない重みを持たせてくれています。そして、自殺未遂をするサラリーマンを演じる柄本明も、心が壊れてしまったサラリーマンをリアルに演じ、過度の競争社会のストレスによって精神を病んでしまう日本人の姿、現代の競争社会の問題点を鮮明に映し出しています。海外ロケにより異色の作品なので、ウイーンへの旅行ガイド的な配慮も感じられ、日本の素朴な風景を楽しみにしている方には不満の残る作品かもしれませんが、豪華な出演者の好演によって、『男はつらいよ』シリーズファンの期待を裏切らない感動的な作品になっています。 私は、ずっと貧乏なので海外旅行とは無縁でパスポートも持っていませんが、この作品で紹介されているウイーンの町の風景を見ると、んー行って見たいなぁという気持ちにさせられました。まんまと乗せられてしまうのが情けないような気もしますが、招いてくれたウイーンへの配慮からなのか、本当に魅力的な風景の映像が多く、美術館に本物のブリューゲルの絵が展示されているシーンでは、身を乗り出してしまいました。タコ社長と同じで、カレンダーの写真を見るだけで終わってしまいそうです。この作品を観てガマンします。 過酷な競争社会を避けて通るわけにはいかない 浪人中で将来に不安を持つ満男が、寅さんの生き方をうらやましく思いますが、現代社会では、どんな暮らしをしようと過酷な競争社会で生きる事は避けられません。受験戦争もその一つですし、社会に出てからも競争社会で生き残る術を学ばなくてはなりません。競争がどんどん激しくなる現代社会では、ストレス過多で心身に異常をきたす人も増えてしまい、人間性が失われていきます。競争社会は仕方がないにしても、精神が壊れてしまうほどのストレスをともなう世の中になり、過労死や、仕事を苦にした自殺が急増したのは、この頃だったかなぁと思うとゾッとします。 水を見ると気持ちが落ち着く ドナウ川を見ながらくつろぐ寅さんと久美子さんが、日本でもヨーロッパでも川の流れはどこも同じだと感じます。『悲の器』『邪宗門』などで知られる作家、高橋和巳の小説の中にも、同じセリフが出てきますが、川の流れや水を見ていると気持ちが落ち着くと感じる人は多いと思います。 寅の人生そのものが、夢みたいなもんですから 気の向くまま、風の吹くままに旅をして、毎日面白おかしく暮らしていければそれでいい。こんな寅さんの人生に憧れる人も多いと思いますし、夢のような人生かもしれませんが、考えてみれば、誰の人生も夢のようなものなのかもしれません。仏に仕える御前様の言葉だけに、深い意味が感じられます。どうせ夢なら、悪夢よりもいい夢を見たいですけど・・・。
1989年日本映画。監督は『学校』『息子』『幸福の黄色いハンカチ』の山田洋次。出演は、渥美清、倍賞千恵子、竹下景子、淡路恵子、柄本明など。日本を代表する長寿シリーズとなる『男はつらいよ』シリーズの41作目。
日本全国を旅する寅さんを描いた『男はつらいよ』シリーズがいよいよヨーロッパへ?。国内の名所や美しい風景を楽しめるというのも『男はつらいよ』シリーズの楽しみの一つですが、今回は、何とオーストリアのウイーンが舞台になっていて、ウイーンの観光名所ガイドとしても楽しめる作品になっています。なぜ?いきなりウイーンなのか?という疑問が出てきますが、当時のウイーン市長が『男はつらいよ』シリーズの大ファンで、熱心に撮影地として招致したことから実現したようです。やはり、日本の風景に溶け込む寅さんに慣れているファンにとっては違和感を感じる場面も多いですが、美術館に展示されているブリューゲルの絵、モーツァルトの音楽、有名な建築物、ドナウ川の美しい風景など、ウイーンの魅力を十分に楽しめる作品なので、今までとは違ったロードムービーとしても楽しめます。内容的には、爆笑ネタはもちろん、愛情の深さが、国籍の違いや文化の違いなどの障害を乗り越えるというテーマをメインに、サイドストーリーとして描かれる坂口の恋愛も感動的です。マドンナ役で出演している竹下景子は、『男はつらいよ・口笛を吹く寅次郎』『男はつらいよ・知床慕情』にも出演し、本作で3回目の出演ですが、マドンナ役としては寅さんとの相性も最高で、『男はつらいよ・知床慕情』にも出演している淡路恵子の好演が、ヨーロッパ観光ガイド的な軽い作品にならない重みを持たせてくれています。そして、自殺未遂をするサラリーマンを演じる柄本明も、心が壊れてしまったサラリーマンをリアルに演じ、過度の競争社会のストレスによって精神を病んでしまう日本人の姿、現代の競争社会の問題点を鮮明に映し出しています。海外ロケにより異色の作品なので、ウイーンへの旅行ガイド的な配慮も感じられ、日本の素朴な風景を楽しみにしている方には不満の残る作品かもしれませんが、豪華な出演者の好演によって、『男はつらいよ』シリーズファンの期待を裏切らない感動的な作品になっています。
私は、ずっと貧乏なので海外旅行とは無縁でパスポートも持っていませんが、この作品で紹介されているウイーンの町の風景を見ると、んー行って見たいなぁという気持ちにさせられました。まんまと乗せられてしまうのが情けないような気もしますが、招いてくれたウイーンへの配慮からなのか、本当に魅力的な風景の映像が多く、美術館に本物のブリューゲルの絵が展示されているシーンでは、身を乗り出してしまいました。タコ社長と同じで、カレンダーの写真を見るだけで終わってしまいそうです。この作品を観てガマンします。
過酷な競争社会を避けて通るわけにはいかない
浪人中で将来に不安を持つ満男が、寅さんの生き方をうらやましく思いますが、現代社会では、どんな暮らしをしようと過酷な競争社会で生きる事は避けられません。受験戦争もその一つですし、社会に出てからも競争社会で生き残る術を学ばなくてはなりません。競争がどんどん激しくなる現代社会では、ストレス過多で心身に異常をきたす人も増えてしまい、人間性が失われていきます。競争社会は仕方がないにしても、精神が壊れてしまうほどのストレスをともなう世の中になり、過労死や、仕事を苦にした自殺が急増したのは、この頃だったかなぁと思うとゾッとします。
水を見ると気持ちが落ち着く
ドナウ川を見ながらくつろぐ寅さんと久美子さんが、日本でもヨーロッパでも川の流れはどこも同じだと感じます。『悲の器』『邪宗門』などで知られる作家、高橋和巳の小説の中にも、同じセリフが出てきますが、川の流れや水を見ていると気持ちが落ち着くと感じる人は多いと思います。
寅の人生そのものが、夢みたいなもんですから
気の向くまま、風の吹くままに旅をして、毎日面白おかしく暮らしていければそれでいい。こんな寅さんの人生に憧れる人も多いと思いますし、夢のような人生かもしれませんが、考えてみれば、誰の人生も夢のようなものなのかもしれません。仏に仕える御前様の言葉だけに、深い意味が感じられます。どうせ夢なら、悪夢よりもいい夢を見たいですけど・・・。
困ったときは、これを売るんだよ 久美子が、おばあさんとの思い出を語るシーン。勝手に家を出て行こうとする久美子に、おばあさんが、お金に困ったときの為にと指輪を持たせてくれたというエピソードには泣かされます。すでに他界して、会うことのできないおばあさんへの愛情が痛いほど伝わる場面です。 ●日本映画特集のページへ
困ったときは、これを売るんだよ
久美子が、おばあさんとの思い出を語るシーン。勝手に家を出て行こうとする久美子に、おばあさんが、お金に困ったときの為にと指輪を持たせてくれたというエピソードには泣かされます。すでに他界して、会うことのできないおばあさんへの愛情が痛いほど伝わる場面です。
これからは個人主義で行くからな 自殺未遂をした坂口を、親切で助けた事からウイーンへ行くハメになった寅さんが、親切を後悔する場面があります。親切心が仇になるような事の多くなった現代社会への皮肉なのかもしれませんが、寅さんにだけは、個人主義者になって欲しくないですね。笑えますけど、ちょっとゾッとします。