バカ騒ぎだよ!ファンダンゴ
監督は『ロビン・フッド』のケヴィン・レイノルズ、主演は『アンタッチャブル』『ダンス・ウイズ・ウルブス』のケヴィン・コスナー、『セント・エルモス・ファイアー』『ブレックファスト・クラブの』のジャド・ネルソン。1970年代はじめ、ベトナム戦争中のアメリカの若者の青春を描いたロードムービー。1985年度作品ですが、ロックの名曲の数々をBGMに、1970年代の雰囲気をうまく出しています。
日本公開時の宣伝文句は『バカ騒ぎだよ!ファンダンゴ!』、とにかくパァーと明るい映画を期待するとアテが外れます。テキサスからメキシコに向かう旅を描いているので、全体的に砂漠の乾いた空気、誇りっぽい風景が中心で、セクシーな女の子とのロマンスなどもありません。かなりメチャクチャで笑えるシーンもありますが、就職、結婚、ベトナム戦争への出征など、学生時代の仲間がそれぞれ人生の荒波に向けて船出する前夜の青春を描き、さらに友人の婚約者に恋心を寄せるガードナーの複雑な心境なども繊細に描いているので、バカ騒ぎだけの退屈なロードムービーではありません。60年代から70年代のロックの名曲が効果的に使われているので、ロックの黄金期の名曲もたっぷりと楽しめます。
はじめて観た時は、まだ学生だったので、それほど感動しませんでしたが、卒業してから観ると感じ方が全く違いました。高校、大学に在学中の時よりは、卒業して社会に出てから観ると、かなり感動できる作品だと思います。高校生、大学生の頃は、大きな責任感や義務を感じる存在では無いので、割と気楽な生活が出来ますが、卒業して仕事や結婚などで義務や責任が大きくなると、もう学生時代のように親しい友人にいつでも会えるという環境ではなくなります。私の友人は変わり者が多く、卒業して、アメリカ、中東、中国など仕事で海外に行ってしまった友人が多く、もう2度と会えない友人も多いので、この作品を観ると、そんな学生時代の友人たちを思い出してしまします。個人的には、青春時代を思い出させてくれる貴重な作品です。
みんな何かから開放されたくて・・・
学生の頃は、社会人としての責任も義務もなく気楽な存在ですが、卒業しそれぞれ社会に出て行くと、色々な義務に束縛されることになります。社会人になり、何かから開放されたいと考えている人も多いんじゃないでしょうか?気ままな旅に出たいと思っている人は多くても、実際に旅に行く余裕が無い人の方が多いと思いますが・・・。
うちで用意するわ
召集令状を受け取り失望したワグナーは、一方的に結婚を中止してしまいますが、仲間たちは、ワグナーの結婚式をしようと知恵をしぼります。何も無い状況から結婚式をしようとするガードナーたちの厚かましさも笑えますが。田舎の人の人情にすがって、次々に結婚式に必要なものを揃えていくシーンは、田舎の人間の温かさ、寛大さが感じられて、ホッとさせられます。