ハードロックの起源
ギターの神様と呼ばれたエリック・クラプトン、ジャズ系のテクニシャンドラマー、ジンジャー・ベイカーと、ロック、ジャズ、クラッシク音楽にも精通するジャック・ブルースの3人で結成された、史上最高のトリオ。ブルースロックを基本に、ジャズ、クラッシクの要素までを取り入れたヘヴィで芸術的な音楽は、ハードロックの原型となり、レッド・ツェッペリン、第1期ジェフ・ベック・グループなどに受け継がれていきます。ライブ演奏では、プレイヤー同士がバトルするようなインプロヴィゼーション(即興演奏)が最大の魅力で、エリック・クラプトンの攻撃的なテクニック、センスが評判になり、エリック・クラプトンのギタリストとしての評価を決定的にしました。『サンシャイン・ラブ』はアトランティックのレコードで最も売れたシングルレコードになりますし、ロバート・ジョンソンのカバー曲である『クロスロード』はロックギタリストのバイブルと呼んでもいいと思います。
頼むからケンカしないでくれよ
ベースのジャック・ブルースとドラマーのジンジャー・ベイカーは、クリーム結成以前からとても仲が悪く、エリック・クラプトンは演奏以上に、二人がケンカにならないように気を使わなければならなかったようです。演奏中に、ジャック・ブルースのプレイが気に入らないジンジャー・ベイカーが、彼に向かってドラムスティックを投げつけ、起こったジャック・ブルースが、肩からベースを外し、ジンジャー・ベイカーめがけてベースを投げつけ、ステージ上で大ゲンカになったというエピソードもありました。ジンジャー・ベイカーは、『ジャックを殺さないように気を静めるのが大変だった』語っています。
観客の事なんか気にしていなかった
自分達の音楽性、テクニックに絶対的な自信を持ってプレイしていたクリームの3人は、観客に背を向けて演奏する事もあり、自分達のプレイしたい曲を、自分達のスタイルで演奏するだけ、観客に対しての感謝の気持ちだとか、サービス精神などは一切なかったようです。この態度の悪さをローリング・ストーン誌の記者に記事にされ、エリック・クラプトンはショックを受け、クリームは解散する事になります。今のエリック・クラプトンからは想像もできませんが、この当時のエリック・クラプトンは、自分が世界一のギタリストだという自信からか、態度が悪く、記者に対しても、相手をバカにしたような態度で、露骨に不快感をあらわにしていました。しかし、有名な音楽評論家ジョン・ランドーの批評に、自分の傲慢な態度を指摘され、倒れるほどのショックを受けたエリック・クラプトンは自分の態度を改めます。結果的に、この事件が解散の原因になりますが、自分の愚かさを自覚し、バンドの解散に踏み切ったエリック・クラプトンは、人間的に成長できたのではないでしょうか?
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