昔は有名な窃盗犯だったギャンブラーのボブ・モンタナは、すっかりツキに見放され酒とドラッグにおぼれながらギャンブルを続けていた。彼を昔から知る刑事ロジェは、前科があるボブを監視しているが、逮捕する為というよりは、ボブに犯罪を繰り返させたくない為のようだった。ある日、ボブは、ギャンブルの為に入り浸っていた店でアンという少女に出会い、悪質なヒモから彼女を救い出し、彼女とアパートに同居する事になる。そして、心機一転大博打に出るが、有り金を全てスってしまい、古くからの仲間ラウルから持ち込まれたカジノ襲撃計画を引き受けることになる。カジノの大金は魅力的だが、本当の目的は、現金を奪うことではなく、カジノにある名画の強奪だった・・・。

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　２００３年イギリス・フランス・カナダ・アイルランド合作。監督は『俺たちは天使じゃない』のニール・ジョーダン、主演は、『４８時間』『シン･レッド･ライン』などに出演しているニック・ノルティ、『ニキータ』『パトリオット』などのチェッキー・カリョ、『ナイロビの蜂』『メイド・イン・マンハッタン』のレイフ・ファインズ、そして、『シビラの悪戯』のナッサ・クヒアニチェ。落ちぶれたギャンブラーがカジノの襲撃を計画するクライムサスペンス。

　ギャンブラーにオススメの映画です。ギャンブルは身の破滅につながりやすいので、ギャンブルをすすめたくは無いのですが、ギャンブルで負け続けて苦い思いをしている方には、かなり痛快な物語だと思います。フランス、イギリス、アイルランド合作の作品なので、ハリウッド映画とは違うヨーロッパ的でオシャレな雰囲気、ファッション、音楽も楽しめます。そして一番印象に残るのは、ナッサ・クヒアニチェの美しさ！この女優さんは、日本で公開されている作品は、本作と『シビラの悪戯』の２本だけでなかなか観る事ができないので、そういう意味でも貴重な作品です。少女のあどけなさを残しながらも正統派の美人で、モデル並みの抜群のスタイル、とにかく魅力的な女優さんで、彼女の存在自体がアートとして感じられます。また、セキュリティシステムの設計をしているエンジニアがロックファンで、ストラトキャスターを高価な機材につないでジミ・ヘンドリックスを演奏している場面もあり、ロックファンにも嬉しい演出です。そして名画の強奪が目的なので世界的な名画の数々も楽しめるので、かなり芸術的な要素が強い異色作品になっています。クライムサスペンスとしては、ハイテクのセキュリティシステムを破る工夫なども楽しめますが、結末があらぬ方向に行ってしまうので、本格的なクライムサスペンスのスリルを期待する人には、少々期待はずれの映画かもしれません。スリルやサスペンスを楽しむと言うよりは、ナッサ・クヒアニチェの美しさとファッション、芸術的な雰囲気を楽しむ感覚で観るといいと思います。

世紀の大泥棒は？

　ピカソについての批評が出てきます。ルーベンス、ドラクロワ、ゴッホ、マティスから技術を盗みまくったと厳しい批評をしています。ピカソのファンが観たら怒るかもしれませんが、そう言われてみれば、微妙に手法を取り入れているような気もします。

ギャンブルのルール

　ドレスアップする！、麻薬はやらない！、結果は考えるな！、などなど色々とギャンブルのルールが紹介されています。参考になるかどうかは分りませんが、面白いルールが色々と紹介されています。この作品の主人公のボブは、アンという魅力的な少女と知り合いになって自分のアパートに同居させますが、最後まで彼女に手を出しません。こんなと所もギャンブルのポイントなのかもしれません。

　《　検索用　》

ニック・ノルティ
チェッキー・カリョ
レイフ・ファインズ
ナッサ・クヒアニチェ

 

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