１９３５年のある夜、カナダ国境に近い刑務所で、死刑が執行されようとしていた。死刑囚のボビーの死刑の執行にネッドとジムという二人の受刑者も立ち会っていたが、ボビーが隙を見て脱獄し、ネッドとジムもその騒ぎに巻き込まれて逃亡してしまう。ネッドとジムの二人は、カナダ国境へ逃亡するが、町に招かれていた神父と間違われてしまい、教会に滞在する事になる・・・。

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　１９８９年アメリカ作品。監督は『ギャンブル・プレイ』のニール・ジョーダン、出演は、『シン･レッド･ライン』『ギター弾きの恋』などのショーン・ペンと『ゴッドファーザーPART�U』『ミッドナイト・ラン』などのロバート・デ・ニーロ、そして、『セント・エルモス・ファイアー』『幸福の条件』のデミ・ムーア。脱獄犯の逃亡をコミカルに描いたアクションコメディ。ハンフリー・ボガート主演の５５年度作品リメイクですが、かなり大幅に脚本が変更されています。

　名優ロバート・デ・ニーロがショーン・ペンを誘ってコンビを組んだコメディ映画の傑作です。リメイク作品ですが、元の作品とは全く違う脚本になっている為、ハンフリー・ボガートの主演作を知っている方はガッカリするかもしれませんが、主演の二人ショーン・ペンとロバート・デ・ニーロのドタバタぶりはかなり笑えますし、観終わった後に心が癒されるような感動が残る名作です。スケベでずる賢いネッドを演じるロバート・デ・ニーロと、品の無いチンピラ丸出しのキャラクターのジムを演じるショーン・ペンのコンビは最高に笑えますし、スケベなネッドが夢中になってしまうモリーを演じるデミ・ムーアもセクシーで魅力的で、ちょっとだけヌードシーンもあります。一応コメディ映画ですが、脱獄の主犯ボビーの逃亡は最後まで緊張感のある展開で絶妙なアクセントになっています。そして何より感動的なのは、教会や町の人々との交流の中によって、犯罪者だったネッドとジムが人間的に変わり、小さな幸せを見つけて歩み始める所でしょう。キリスト教によるちょっとした奇蹟がストーリーのオチにつながりますが、大げさな奇蹟ではないので、キリスト教徒でなくても好感が持てると思います。ハンフリー・ボガート主演のオリジナルが好きな人にはオススメできませんが、個人的にはオリジナル作品以上の感動作だと思います。

色々と悩んでいる

　不信心な脱走犯のネッドが言うセリフだからこそ説得力があるような気がします。信仰心があるかどうかは別にしても、誰しも色々と悩みを抱えながら生きていると思います。宗教を信じる事によって、悩みの解決策を得られなくても、慰めになるなら信仰を持ってもいいかもしれませんね。

人間は弱いのです

　カナダの姉妹教会への行列がはじまる前に、神父の説教が行われますが、その説教者を選ぶくじ引きで、ブラウン神父に成りすましたジムが当たってしまいます。元々キリスト教徒ではないジムは、アドリブで説教をはじめてしまいますが、庶民の気持ちを代弁したような言葉に人々は拍手を送ります。信仰とは無縁の説教ですが、なぜか感動的で、デミ・ムーアが演じるモリーの涙も心に残ります。

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