1978年アメリカ作品。監督はジョン・ベリー、出演は『グレート・レース』のトニー・カーティス、『がんばれ!ベアーズ』『がんばれ!ベアーズ・特訓中』のジャッキー・アール・ヘイリー、『ブラック・レイン』の若山富三郎など。少年野球チームの活躍を描いた名作『がんばれ!ベアーズ』のシリーズ第3作。
大ヒットしてシリーズ化された『がんばれ!ベアーズ』のシリーズ3作目で完結編。1作目から出演しているジャッキー・アール・ヘイリーが主演と言いたい所ですが、本作では、トニー・カーティスが演じるマービンが、ショウビジネスに子供たちを利用するというコメディ作品になっていて、トニー・カーティスのドタバタがメインになっています。シリーズも3作目となり、マンネリ化を防ぐ為に日本でのロケを中心に製作されたのでしょうか?日本のスタッフが全面的に協力した事によって、アントニオ猪木が本人役で出演、当時、日本で人気のあったオールスター家族対抗歌合戦などの映像なども挿入され、日本人とアメリカ人の生活習慣のギャップなどもコメディの要素として取り入れられています。ジャッキー・アール・ヘイリーが演じるケリーの恋愛や、日米野球を通しての友情なども描かれていますが、全体的には、トニー・カーティス演じるマービンのコミカルなキャラクターを中心に描かれているので、ベアーズの活躍を楽しみたい方にとっては不満の残る内容かもしれません。一応本作で完結ですが、内容的には前2作には及ばず、観なくてもいいかな?という気がしますが、若き日の萩本金一さん、アントニオ猪木さんの姿を観る事ができますし、1970年代の日本の風景が楽しめる作品なので、1970年代をリアルタイムで過ごした方にとっては、懐かしい映像資料としても楽しめると思います。
ほとんど日本ロケで製作された作品で、出演者にヘンな日本語を使う日系人俳優が出ていないので、日本人としては観やすいと思いますが、懐かしさを楽しむ以外は、あまり見所の無い作品です。大人の汚さと子供の純真さを対照的に描くというコンセプトは感じられますが、金の為に子供を利用するマービンや、野球の試合を賭けの対象にして稼ごうとする大人の姿には、笑えない醜悪さがありガッカリさせられます。完結編として作られたというより、大ヒットシリーズで稼ごうとする大人のいやらしさが出てしまったような作品で、最後にホッとさせられシーンで締めくくられているのが救いです。
声をかけられて、すぐについて行くような女じゃないの
ケリーが日本女性に一目ぼれして声をかけますが、こんな言葉が返ってきます。1970年代の日本女性は、こんな感じだったんでしょうね。今では、声をかけられて簡単についていってしまう女性が増えているようなので、時代の流れを痛感させられます。
みんなの為を思って、やってるんだよね?
幼いムスタファは、マービンが金の為に子供を利用しているとは思っていません。すべて自分たちの事を考えての行動だと信じています。良心が残っている人なら、このセリフはキツイでしょうね。