2005年アメリカ作品。監督は、『スクール・オブ・ロック』『ファーストフード・ネイション』のリチャード・リンクレイター、出演は、『アルマゲドン』のビリー・ボブ・ソーントン、『ふたりにクギづけ』のグレッグ・キニア、『ミスト』のマーシャ・ゲイ・ハーデンなど。落ちぶれた中年男と、少年野球チームの子供たちの交流を描いたスポーツ映画。1976年の名作『がんばれ!ベアーズ』のリメイク作品。アメリカ作品。
大人から子供まで楽しめる作品として大ヒットした『がんばれ!ベアーズ』のリメイク作品ですが、完全に大人向けの作品になっています。オリジナル作品の完成度があまりにも高いために開き直っているのかもしれませんが、子供向け作品というよりは、オリジナル作品を知る世代の為に作られたようなユーモア、子供には分らないようなブラックジョーク、アメリカ人の自虐ネタが多く、30代、40代以上の大人なら爆笑シーンの連続で楽しめると思います。バターメイカーの職業がプール掃除ではなく害虫駆除なっているなど、多少の変更はあるものの、基本的なストーリーは忠実に描かれていますが、1970年代の時代背景や子供の感性と、現代人の感覚にズレがある為、オリジナル作品のような感動はありません。あくまで、コメディ作品として楽しむと割り切れば、かなり楽しめる作品だと思います。ただし、大人向けの趣向が多い作品なので、子供と一緒に観ると返答の困る質問をされる恐れが大きいので、子供と一緒に観るならオリジナル作品の方が言いと緒思います。
全く期待していなかった作品ですが、かなり笑えました。ビリー・ボブ・ソーントンのキャラクターが、ただの酔っ払いではなく女癖も悪い極悪なので、それだけでも笑えます。ケバイお姉さんを連れて歩く、風俗関係のスポンサーを探してくる、子供にボールをぶつける・・・などなど、爆笑シーンの連続で、完全にビリー・ボブ・ソーントンが主役の作品になっています。その分、グレッグ・キニアが演じるコーチが貧弱に見えてしまってオリジナル作品のような緊張感はありませんし、子供たちの個性が弱くなっているのは残念ですが、大人向けのコメディ作品として、粋なブラックジョークを楽しめる作品と考えれば、何度観ても楽しめる作品だと思います。大人が観れば、とにかく笑えます。
嘘を言うんだ、それがアメリカ式だ
自虐ネタですね。ウソをついても勝ったほうがいい、得をした方がいいという発想は、アメリカだけでなく先進国のほとんどに浸透してしまい、諸悪の根源になっているような気がします。ブラックジョークとして笑った方がいいんでしょうけど、笑うに笑えないですね。
継続すれば、いつか力がつく
多分、この作品の中で一番まともなセリフです。何をするにしても、途中でやめずに続けて行く事で実力がつくものです。何かを続けていくというのは、簡単なようで中々難しいものです。
失望には慣れてる
コメディ色の強い作品ですが、中年の悲哀を感じさせてくれる言葉も出てきます。人生に試練が多いと失望する事の方が多くて、何かに期待する事さえできなくなってしまいます。数え切れない程の失望を味わった人なら、このセリフに共感できるかもしれません。