ジョン・コンスタンティンは、生まれながらにして霊感が強く、普通の人間には見えない天使や悪魔の姿が見えてしまう。そんな自分の恐ろしい能力に絶望して、自殺を試みたが失敗。その自殺未遂の罪によって地獄に行く運命だが、霊感の強さを生かしてエクソシスト（悪魔祓い）として邪悪な存在を地獄に送り返す仕事をしている。ある日、精神病院に収容されていたイザベルが自殺し、双子の姉妹だった女刑事アンジェラ・ドッドソンが、自殺の真相を探る為にジョンに協力を求めてきた。コンスタンティンは、最近の奇妙な事件とイザベルの自殺に関係があることに気づき、アンジェラと共に調査を始めるのだが・・・。

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　２００５年アメリカ作品。監督は『アイ・アム・レジェンド』のフランシス・ローレンス、主演は『リトル・ブッダ』『マトリックス』シリーズなどの キアヌ・リーヴスと、『ナイロビの蜂』『チェーン・リアクション』のレイチェル・ワイズ。そして、『ブラッド・ダイアモンド』のジャイモン・ハンスゥ、『トランスフォーマー』のシャイア・ラブーフなど個性的な俳優も出演しています。自殺未遂をした過去を持つエクソシストが、悪魔が人間を支配しようとする企みに挑むオカルト映画。

　これは期待以上に面白い作品でした。『マトリックス』シリーズが大ヒットした後に、キアヌ・リーヴスをエクソシスト役に起用したといのが安易な感じがして、あまり期待していませんでしたが、ストーリーも出演者の個性的なキャラクターも、特撮による映像も見ごたえがあり、キリスト教の世界観、価値観を基本にしながらも、人間に対する風刺や、ユーモア、痛快なアクションが楽しめる作品です。悪魔をテーマにした作品としては、実話を元に映画化された『エクソシスト』『エミリー・ローズ』などが有名ですが、この作品はフィクションなので、実話を元にした作品に比べて、現実に起こりうるかもしれないという恐怖感はありません。逆に、悪魔がマフィアのようなファッションで現れたり、オタクが収集した武器を使って悪魔と戦うなど、遊び心のある演出が多く、ホラー作品としてより、娯楽作品として楽しめる内容の作品なので、ホラー映画が苦手な方にもオススメできます。『トランスフォーマー』の主演をしているシャイア・ラブーフがコミカルな演技で作品に絶妙なアクセントをつけているのも見所です。エンドロールの後にも最後のオチが入っているので、そちらもお見逃し無く！

自己犠牲、神を信じる事

　コンスタンティンと大天使ガブリエルの会話に出てくるセリフが、キリスト教の価値観の一番重要なポイントなのかもしれません。自己犠牲というのは、なかなか出来る事ではありません。特に、余っている小銭を募金箱に入れて満足するような偽善者が多い今の世の中では、自分を犠牲にしてまで他人を救える人間は、そんなに多くないはずです。この作品でも、自己犠牲が大きなポイントになっていますが、自己犠牲を実践できるような人間しか天国に行けないなら、ほとんどの人が地獄行きかもしれません。

生きて思い知るがいい

　天国でも地獄でも、寿命が尽きて行き場所が決まっているならいいですが、ヘタに長生きさせられる方が怖い気がします。長生きする事によって、その分人に尽くせるとか、罪を償えるならいいですが、長生きした分、人に苦しみを与え、罪を重ねるぐらいなら、早めに死んだ方が幸せかも？

 

 

試練を与えます

　悪魔の息子マモンを人間界に導き、人間に試練を与えようという計画が、この作品のメインストーリーになっていますが、人間には試練が必要だという考え方には納得してしまいます。キリスト教の教義では、悔い改めれば、どんな悪事をはたらいても赦されるという考えが基本になっているので、不公平な気もします。何をしても赦されるという考えに甘えて、やりたい放題の人間に試練を与えようという考えは、人間に対する風刺、あるいは警告なのかもしれません。仏教では因果応報という価値観があり、自分の行いは全て自分に帰ってくるという考えがあるので、こんなに甘いものではないのですが・・・。

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キアヌ・リーヴス
レイチェル・ワイズ
シャイア・ラブーフ
ジャイモン・ハンスゥ
ティルダ・スウィントン
ピーター・ストーメア

 

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