１９５６年、テレビがアメリカ社会で最大の娯楽として定着しつつある時代、人気クイズ番組２１（トゥエンティ・ワン）は、社会現象の一つと言えるほど有名な番組になっていた。この番組のチャンピオンであるハーヴィー・ステンプルは連勝中だったが、視聴率が伸び悩んでいた。そんな時、番組製作スタッフは、別の番組のオーディションを受けにきたチャールズ・ヴァン・ドーレンに出演を依頼する。有名な詩人の身内で名声もあるチャールズは、若くハンサムだった為、クイズ番組の出演で人気が急上昇、一躍有名人になり、番組の視聴率も好成績を記録していた。しかし、番組で出題されている問題は事前に回答者に知らされていて、すべてが仕組まれていた・・・。

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　１９９４年アメリカ作品。監督は、『モンタナの風に抱かれて』『バガー・バンスの伝説』などのロバート・レッドフォード、出演は、『嵐が丘』『メイド･イン･マンハッタン』などのレイフ･ファインズ、『ラウンダーズ』『グッド･シェパード』などに出演しているジョン･タートゥロ。アメリカのテレビ創成期、最も人気のあるクイズ番組が、ヤラセ番組であったという事実を元に制作された社会派映画。

　ロバート･レッドフォード監督作品としては珍しく社会派の作品です。日本でもたびたびテレビ番組のヤラセが問題になっていますが、人気クイズ番組の不正が法廷で裁かれた実話の映画化なのでリアリティがあります。５０年代のアメリカの雰囲気をうまく表現した映像で、淡々と描かれていますが、テレビ業界の問題のみならず、嘘をつくことによって良心の呵責に悩む主人公の姿は、嘘をつくことが当たり前と考える人が多くなってしまった現代に対する警鐘のようにも感じられます。また、テレビ業界のヤラセ、不正のほとんどは、視聴率を上げる為、つまり視聴者のニーズに答える為に行われ、私たち視聴者が望むものをヤラセによって放送しているという事を実感させられます。

勝つなら正々堂々と

　番組スタッフに、出演を打診されたチャールズは、ヤラセ無しでの出演を望みますが、結局は、番組の仕組んだヤラセで有名になり、虚栄心に浮かれた生活を送ってしまいます。ヤラセ、八百長などで勝って有名になっても、良心の呵責や罪悪感で精神的に追い詰められ、結局、後ろめたい気持ちで生きて行くハメになってしまいます。例え負けても、嘘がバレないかビクビクして生きるより、正直に正々堂々と生きていると胸を張っていられる方が幸せですよね。

黙っている方がツライ

　グッドウィンがチャールズに、身内のエピソードを紹介しますが、嘘をつき続けるという事は、騙した相手を裏切り続ける事ですから、これはツライと思います。嘘も方便という事もありますが、少しでも良心がある人なら、罪の意識で、精神的にキツイ人生を送ってしまうんじゃないでしょうか。良心が無ければ問題ないでしょうが・・・。

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レイフ・ファインズ
ジョン・タトゥーロ
ロブ・モロウ
ポール・スコフィールド

 

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