トーマスという男が、盲目のテレホンアポインターのエズラに苦情を入れて、激しく罵倒するが、エズラは傷つきながらも激高せずに紳士的に対応した。翌日、トーマスは、心臓に持病のあるエミリーという女性を訪ね、国税局の職員として申告漏れを指摘する。しかし、ベン・トーマスと名乗るその男は、過去の過ちを償う為に、７人の人間に贈りもの与える決意をし、善良な人間を探していたのだった・・・。

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　２００８年アメリカ作品。監督は『幸せのちから』のガブリエレ・ムッチーノ、主演は『メン･イン･ブラック』『ハンコック』などのウィル･スミス、『プッシーキャッツ』『ＲＥＮＴ／レント』のロザリオ･ドーソン、『幸福の条件』『ナチュラル･ボーン･キラーズ』のウディ･ハレルソンなど。過去の過ちを償おうと、善良な７人の人間たちに贈りものを渡そうとする男の姿を描いた感動のヒューマンドラマ。

　映画の予告編を観た印象では、天使のような存在が人間に贈り物を与えるようなイメージがありますが、この作品は、天使や神様による贈り物を描いた作品ではなく、過去の罪を償おうとする人間が、贈り物にふさわしい人間を選んで、自分自身を与えるというシリアスなドラマです。ですから、泣ける感動のドラマではありますが、心温まるファンタジーを期待して観ると、かなりショックを受けると思います。ガブリエレ・ムッチーノ監督は、『幸せのちから』でもウィル･スミスを主演に起用していますが、この作品でも、アクションやユーモアセンスに頼らずにウィル･スミスの演技派としての可能性を最大限に引き出し、共演のロザリオ･ドーソン、ウディ･ハレルソンなどの名演にも心が揺さぶられます。クライマックスシーンまで全体像がつかめない構成になっていて、アクションもユーモアもなく淡々と物語が進んでいきますが、サスペンスタッチでストーリーがすすむので、映像に引き込まれてしまうので、最後まで飽きずに観る事ができます。また、自己犠牲を描いた感動作品は多いですが、これほどの痛々しい犠牲を払う作品は珍しく、ショッキングな作品でもあります。いままでに無いタイプの感動作で、エンディングでは涙腺を刺激されますが、人間の善意を試されるような衝撃もあり、複雑な気持ちのなる方も多いと思います。

自分がいい人間ではないと？

　心臓に疾患があり、心臓移植の必要のあるエミリーですが、自分をいい人間だとは思っていません。しかし、善人に限って自分に厳しく、自分をいい人間だと思っていないからこそ、より良い人間になろうとするのかもしれません。私の知っている限りでは、自分をいい人間だと思っている人にはロクな人間がいません。

誰も見ていない時も、いい人間だ

　本当にいい人は、他人の目をきにせずに自然に善行が行えるので、人が見ていなくても他人の為に行動できます。外面だけは良くても、他人の陰口ばかり言っている人間や、野良犬や野良猫にエサをやったり、人目を気にして寄付をするような偽善者は、他人が見ていなければ、本性を現すものです。

 

ドナー登録

　この作品を見終わると、ドナー登録をしたくなる方も多いと思いますが、２０歳から５５歳までの健康な方が登録可能で、病気療養中または服薬中の人、高血圧の人、痩せすぎの人などは登録ができません。人の命に関わる事なので、私も、登録したいのですが、高血圧、長期の服薬などで登録ができません。登録したいと思ったら、適合条件などを確認してからの方がいいと思います。

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