1992年アメリカ作品。監督は、『ビバリーヒルズ・コップ』『ミッドナイト・ラン』のマーティン・ブレスト。主演は、『カリートの道』『リクルート』のアル・パチーノ
。事故によって視力を失い、人生に絶望している中年の退役軍人と、自分の将来の為に、友人を裏切るべきかどうか悩む純真な高校生の、心のふれあいを描いた人間ドラマ。
ちょっと重いテーマですが、見所満載で飽きずに何度でも観る事の出来る傑作に仕上がっています。この映画で盲目の退役軍人を演じているアル・パチーノは、徹底した役作りで本当に失明しかけたそうですが、家族や親戚からも疎まれる屈折しきった人格を非常にうまく演じきっていますし、チャーリー役のクリス・オドネルのフレッシュで自然な演技も、映画を魅力的なものにしてくれています。私利私欲の為に他人を犠牲にしたり、裏切ってもいいのか?という、ほとんどの人が経験する試練について描かれていますが、不正を強いる権力者の横暴、嘘や裏切り、権力のある親の力によってエリートコースを進む人間の姿には、社会人なら苦笑してしまうようなリアリティがあり、権力に屈せず正義を貫けるかどうか?というテーマは、アメリカン・ニューシネマのような魅力があります。解決しきれない悩みで、疲れきってしまっている人、人生の岐路に立たされているような方には絶対オススメの作品です。
君は人生苦労するぞ
チャーリーにフランクが語りかける言葉ですが、自分の信念に従って生きていくのは大変かもしれません。でも、苦労や試練が多いからこそ、人間的にたくましくなれるのかもしれませんし、自分の気持ちに正直に生きていけば、後ろめたい気持ちを持たずに生きていけるのではないでしょうか。んーー、でもイヤだなぁ、正直に生きると、苦労するんだなぁ。
困難な道だったからだ
人生の岐路に立たされたとき、ほとんどの人は、楽な道を選ぶと思いますが。その楽な道が、自分の信念や正義感に背くような道だったらどうしますか?厳しく、つらい道でも、自分が正しいと思う道を歩んでいきたい、この映画は、そんな気持ちにさせてくれます。