2000年イギリス作品。監督は、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』のガイ・リッチー。出演は、『セブン』『バベル』のブラッド・ピット、『チェ・28歳の革命』『チェ・38歳別れの手紙』のベニチオ・デル・トロ、『ミニミニ大作戦』『トランスポーター』のジェイソン・ステイサムなど。高価なダイヤモンドを巡って、アメリカのマフィア、イギリスのディーラー、元KGBの殺し屋などが争うバイオレンスアクション。
ロンドンでのボクシングの八百長試合と、ダイヤ強盗事件、まったく関係のない2つの事件に絡んだ登場人物たちの利害関係が複雑に絡み合い、意外な結末へとなだれ込んでいきます。とにかく、ストーリーが面白くて、ロンドンのチンピラたちのおバカな様子と、イヌの表情は、とにかく笑えます。ガイ・リッチーらしい、チンピラならではのギャグが多く、やったらに強気で、態度がデカイ大物たちの行動、立ち振る舞いは、そのスジの人の行動パターンを知らないと笑えないと思います。そういう意味では、あまり女性向けの映画ではありませんが、ブラッド・ピット、ジェイソン・ステイサム、ベニチオ・デル・トロなど、ハンサムな俳優が出演していると言う面では、女性ファンには見逃せないかもしれません。また、映像の編集にも独特のセンスがあり、様々なジャンルの音楽がシーンにズバッとはまっていて、最後まで飽きずに観る事ができる傑作だと思います。ただし、チンピラの習性をうまく描いた作品なので、不良の経験のある方には笑えますが、お行儀良く生きてきた方や、女性には、笑えない部分も多いかもしれません。
ドイツ兵?パイキー?
この映画の舞台はロンドン、イギリスはアメリカのような銃社会ではなく、警官でも銃を携帯していません。勿論、一般市民で銃を持っているのは、ごくごく少数なので、銃を携帯している人に向かって『何に使う?』『誰から身を守る?ドイツ兵か?』、こんなセリフが出てきます。ドイツ兵というのは、第2次世界大戦の対戦国ドイツのドイツ兵をさしていますが、『戦争でもするのか?』という皮肉で、ケンカに銃は必要ないだろうという意味なんでしょうね。パイキー?この呼び方も独特です。流浪民のことをさしています。一般的に英語のジプシーと同じ意味だと思いますが、イギリス的な呼び方なので、違和感がありますが、住所不定の流浪民と解釈していいと思います。この辺りが、アメリカ映画と違っていて、分りづらいですが、こういうポイントを押さえておくと、一層楽しめると思います。
ブラッド・ピットはお飾り
監督のガイ・リッチーは、ブラッド・ピットを、興行的な成功を得る為のお飾りだと認めています。他にもジェイソン・ステイサム、ベニチオ・デル・トロ、ヴィニー・ジョーンズなどなど豪華な出演者ですが、顔の良し悪しは、ともかく、男としての、風格、凄みといった点では、ブラッド・ピットでも、他の出演者にはかないません。凄みのある役者が、バットで殴りあったりするシーンは、ゾッとするほど迫力があります。