レコード会社で働く契約社員のかんなは、２年間新人発掘に失敗して退社する予定だったが、ユーチューブの動画で有望なパンクバンドを見つける。すぐに社長に報告して、社長から契約を取り付けるように命令されたかんなだったが、そのバンドの動画は２０年以上前の映像で、すでに解散しメンバーのほとんどが５０代になっていた。社長の命令でライブツアーの予定が組まれてしまっていた為、かんなは本当の事が言えずに、そのバンドをオリジナルメンバーで再結成してツアーをはじめるのだが・・・。

●日本映画特集のページへ

　２００９年日本映画。監督は、宮藤官九郎。主演は、『舟を編む』の宮崎あおい。８０年代に活躍したパンクバンドのメンバーが再結成し、ライブツアーをする姿を描いたコメディ映画。

　ロックファン向けのコメディ映画の傑作です。コメディ映画なので誰でも笑えると思いますが、昔のミュージシャンの名前や、音楽用語などが出てきますし、音楽業界のパロディ、ネタが満載なので、ロックファンの方が楽しめる作品です。ハッキリ言って下品で下ネタも多い作品なので女性にはオススメできません。爆笑できるコメディ映画ですが、どちらかと言うと男性向き、ロックファン向きのコメディ映画です。

　ジミヘン、シド・ヴィシャス、レッド・ツェッペリン、ピストルズなどのバンド名が出て来ますが、１９７０年代、１９８０年代の洋楽ロックを知っている人には一層楽しめる作品です。エンディングテーマ曲が、なぜか薬師丸ひろ子さん主演の映画『ねらわれた学園』の主題歌として大ヒットした『守ってあげたい』のカヴァー曲。こういう選曲も、やはり１９８０年代を知る人にはウケるはずなので、若い人よりも１９８０年代に青春時代を過ごした年配の方に向いている作品ですね。バンドがメインで演奏している『ニューヨーク・マラソン』という曲は、モロにイギリスのパンクロックバンドとして有名なＳＥＸピストルズの名曲『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』のパクリだし、年配のロックファンの方が楽しめそうです。ただし、こういうストレートなパンクロックは、若い世代の人には斬新かもしれません。日本だとポジパンとか色々ファッションが先行してパンクロックの基本的な攻撃性みたいなものが失われているバンドが多いので、この映画がきっかけで本物のパンクロックが楽しめれば、若い人にとっても十分に楽しめる作品になると思います。とにかく下品で汚らしいバンドメンバーが主人公なので、そういうのが苦手な人はパスしましょう。

若い奴らがつまんねぇから・・・

　今でもいいバンド、ミュージシャンはいると思いますが、現代の音楽に満足できない人は、昔のミュージシャンの音源を掘り起こしたりして楽しんでいると思います。私も昔は、１９８０年代の音楽が苦手で昔のハードロックやプログレの音源を買い漁っていた事がありました。今はＹＯＵＴＵＢＵなどで音源が探せますし、1曲だけでも気に入った曲がダウンロードで購入できますから、便利ですよね。

昔話はどーでもいいよ。今どうなの？え？

　年を取ると昔話ばかりになって若い人に嫌われてしまいますが、今でも現役でミュージシャンとしてアピールできるなら、観客を納得させる事ができますよね。まぁ、ドラマーの場合、年を取ると腱鞘炎とか色々と体力的にツライ事も出てくるんですが・・・。

ひとりじゃなぁんもできねぇ

　バンドはもちろん一人じゃ出来ませんし、バンドでなくても一人で出来ることはほとんどありません。何をやるにしても誰かの助けがあってです。年を取るとそういう事が分かってきます。それが分かればムダに年を取っていないという事でいいんじゃないでしょうか。

Ａ・Ｇ・ジミヘン

　クラッシックロックのファンなら誰でも知っているジミ・ヘンドリックスというギタリストがいたんですが、彼の愛称が日本ではジミヘンです。彼が多用していた独特のギターコードがありまして、この映画の中でも、コード名をジミヘンと呼んでいるわけです。ギターに興味のある方はジミヘンコードで検索すると押さえ方が出てくるので調べてみてはいかがでしょうか？

サントラもあります

　コメディ映画なので笑える曲ばかりですが、音楽も楽しみたい方はサントラもどうぞ。少年メリケンサックが演奏する『ニューヨーク･マラソン』なども収録されていますが、この曲は、SEXピストルズの曲がベースになってますね。こういうパンクロックが好きなら、『勝手にしやがれ』がオススメです。

 

ＤＶＤ 購入ガイド

映画見るなら　⇒スカパー！おまかせプラン

検索用語を入力 検索フォームを送信