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勝手にしやがれ
Never Mind the Bollocks Here's the Sex Pistols
1. さらばベルリンの陽
2. ボディーズ
3. 分かってたまるか
4. ライアー
5. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン
6. 怒りの日
7. セヴンティーン
8. アナーキー・イン・ザ・UK
9. サブミッション
10. プリティ・ヴェイカント
11. ニューヨーク
12. 拝啓EMI殿
1. Holidays in the Sun
2. Bodies
3. No Feelings
4. Liar
5. Problems
6. God Save the Queen
7. Seventeen
8. Anarchy in the U.K.
9. Submission
10. Pretty Vacant
11. New York
12. E.M.I.

ロックの反逆精神を蘇らせた名盤

 1977年発売、セックス・ピストルズのデビューアルバムにしてパンクムーブメントのキッカケとなった歴史的な名盤です。既存の政府、体制に向かってケンカを売り、『お前らに未来なんかねぇんだ!』と同世代に吐き捨てるリアリティは、世界中のロックファンに衝撃を与えました。

 反社会的な行動や言動でデビュー前から有名人になっていたセックス・ピストルズのデビューアルバムですが、驚くほど完成度の高いアルバムになっています。ジョニー・ロットンの毒づいたヴォーカルのイメージが何よりも強烈ですが、ソングライターとして重要な存在だったグレン・マトロックは、自らビートルズのファンだと公言しているだけあって、意外にポップでメロディアスな曲が多く、シンプルで攻撃的なギターをメインに組み立てられたポップな曲は、アマチュアミュージシャンでもすぐにプレイできる親しみやすさもあり、パンクロックの教科書と言える内容になっています。後に多くのアーティストにカヴァーされ、今やロックのスタンダードとも言える『アナーキー・イン・ザ・UK』をはじめ、ベスト盤?と思えるほどの質の高い曲を1曲目からエンディングまで楽しめます。後に再結成されますが、実質的には、セックス・ピストルズのアルバムとしては、唯一のスタジオレコーディングアルバムであり、他のアーティストがアルバム5枚を発表してやり遂げる事を、このアルバム1枚に集約してしまったような密度の高いアルバムです。

誰が演奏しているのか?

 歴史的な名盤ですが、このアルバムは本当にセックス・ピストルズのメンバーでレコーディングされたのか?という疑惑もあります。セックス・ピストルズのメンバーは自分たちでレコーディングしていたと発表していますが、一般的には、スタジオミュージシャンが代わりに演奏しているという話が定説になっています。私も昔ドラムをやっていたので、ちょっとは分るんですが、このアルバムのドラムは、ドラムをはじめたばかりのドラマーのプレイではありません。かなり経験のあるドラマーが余裕を持ってシンプルなプレイをレコーディングした、という音でレコーディングされていて、ビートに安定感があり、音圧のレベルも安定しているので、多分、ポール・クックのプレイではありません。ドラムの場合、他の楽器と比べて安定したビート、音圧でプレイできるようになるまでは、かなりの時間が必要で、ヘタなままでレコーディングすると、ハッキリと上手いプレイヤーとの差がで出ますが、このアルバムのドラムは、完璧に安定したプレイで、ポール・クックのような初心者ドラマーのプレイではありませんし、ライブ映像で観ると、ポール・クックのドラムは、もたり気味の後ノリのビートなのに比べて、このアルバムのドラムは、ジャストのタイミングか、ちょっと前ノリ気味のプレイなので、ポール・クックのドラムとは正反対です。ギターに関しても、コードを鳴らす音の安定感、ピッキングの正確さなどを考えるとスタジオミュージシャンがプレイしている可能性はありますが、スティーヴ・ジョーンズは以外にリズム感が良く、テクニシャンではないものの、ある程度プレイできるので、ギターはスティーブ・ジョーンズなのかもしれません。マルコム・マクラーレンにそそのかされて、バンドをやる事になったセックス・ピストルズのメンバーのプレイが下手だからと言って責めるわけにはいきませんし、プロのミュージシャンとしてアルバムを発表するからには、安定したプレイでレコーディングしなければならないという事情もあるので、スタジオミュージシャンを使っても仕方が無いような気がします。ドラムに関しては、ポール・クックが叩いていないのは間違いないと思いますが、だからと言って、このアルバムの価値が下がるわけではありません。ポール・クックも、最近は、しっかり練習したらしく、再結成したツアーでは、ちゃんと叩いていますし、赦してあげてもいいと思います。

    

 

■ さらばベルリンの陽 ■

 アルバムのオープニング曲、デモ行進の雑踏のような効果音から、突然強烈なギターのリフで始まる衝撃的な曲で、当時、このオープニング曲だけでショックを受けた人も多かったと思います。『アナーキー・イン・ザ・UK』や『ゴッド・セイブ・ザ・クイーン』ほど有名ではありませんが、やっぱり強烈な曲です。シンプルですぐに弾けるこの曲のギターを真似した人も多いと思います。

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名盤なので・・・

 他のロックの名盤と同様に、このアルバムも色々な種類が発売されています。パンクロックなので、音質にはこだわらないという方も多いと思いますが、他のアルバムと同様、近年発売されたものは音質がクリアになっています。また、アナログ盤の雰囲気を味わいたいという方には、紙ジャケット仕様のアルバムがオススメ。とにかく聴ければいいというなら中古盤で探せば500円前後から入手可能です。

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