１９６０年代にミシガン大学で学生運動の仲間たちが、自殺した友人アレックスの葬儀のために集まり、再会を果たした。学生時代の仲間同士で結婚したハロルドとサラ、TV俳優として活躍するサム、ベトナム戦争の後遺症で性に不能者となってしまったニック、雑誌誌の記者をしているマイケルなど、共に理想に向かって協力していた仲間たちも、様々仕事に就き暮らしていた。葬儀のあと、ハロルドとサラ夫婦の別荘で過ごすことになった７人と、自殺したアレックスの恋人だったクロエは、アレックスの思い出や、死の理由について議論するのだが・・・。

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　１９８３年アメリカ作品。監督は、『わが街』のローレンス・カスダン、出演は、『影なき男』のトム・ベレンジャー、『１０１』のグレン・クロース、『ホーリーマン』のジェフ・ゴールドブラム、『アルタード・ステーツ』のウイリアム・ハート、『海辺の家』のケヴィン・クライン、『アグネス』のメグ・ティリーなど。１９６０年代に学生運動の同士だった仲間の再会を描く人間ドラマ。

　１９８０年代の作品ですが、１９７０年代の雰囲気の残る作品です。学生運動の同士だった仲間が再会するという、シリアスなテーマの映画ですが、この手の映画にありがちな、残酷なほどのリアリティ、絶望感でのエンディングという後味の悪さが無く、ロックファンにとっては、ロックの名曲を楽しめるという楽しみもあります。アイドル的な人気のあるような出演者ではありませんが、かなり豪華な出演者で、それぞれ個性を生かし、理想に敗れた憂いと、現実的なプライベートな悩みを持つ中年を好演していて、中年の方や、６０年代に青春時代を過ごした方にとっては、共感できる部分も多いと思います。仲間同士で本音をぶつけ合うシリアスなシーンもありますが、学生運動の仲間が主人公になっている割には、政治思想などの話題は少なく、政治のテーマが苦手な人でも友情をテーマにした人間ドラマとして楽しめる作品で、観終わった後に、やっぱり学生時代の仲間はいいなぁ、という気持ちにさせてくれます。クラッシクロックの名曲を楽しみながら、友情の素晴らしさを実感させてくれる秀作ですが、私は学生運動が盛んな頃に生まれた世代なので、学生運動をしていた人の気持ちは分りません。もしかしたら、学生運動をした経験のある方が観ると、挫折感や、今の自分の人生を見つめて苦々しい気持ちになってしまう方もいるかもしれません。

ある種の人間は、生きるのがツライんだ

　自殺してしまったアレックスについて仲間が語りますが、繊細な感性を持っている人間は、いい事も悪い事も過剰に感じてしまい、時として生きる事が辛くなってしまいます。自殺をすすめるわけではありませんが、学生運動で体制に破れ、一番傷ついて絶望していたアレックスは、一番純粋な人間だったのかもしれません。

幸せな人間なんているの？

　仏教的な価値観で、人生は修行で、生きる事は苦悩の連続だ！なんて考えなければ、世の中には、自覚が無いだけで幸せな人はたくさんいると思います。私も経験がありますが、あまりにも不幸な人生を送っていると、世の中に幸せな人っているのかなぁ、と疑ってしまうんですよね。この作品では、結婚を焦っている女性の言葉なのでちょっと痛々しいですが、現代社会では、こんな気持ちになってしまう人が多いのも仕方が無いような気がします。

 

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