ニューヨークの刑事ジョン・マックレーンは、クリスマス休暇を家族と過ごすためロサンゼルスへやってきた。ジョンの妻ホリーは日本商社ナカトミ株式会社の管理職として働いていて、ジョンは、ナカトミビルで開かれていたパーティ会場に妻を訪ねるが、テロリストがビルを襲撃し、事件に巻き込まれてしまう・・・。

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　１９８８年アメリカ作品。監督は『レッド・オクトーバーを追え！』『ザ・スタンド』などのジョン・マクティアナン、主演は『ティアーズ・オブ・サン』『アルマゲドン』などのブルース・ウィリス。休暇中に偶然事件に巻き込まれてしまった刑事の活躍を描くポリスアクション作品。

　８０年代を代表するポリス・アクションの傑作で、シリーズ化されて大ヒットしました。ブルース・ウィリスの出世作となった作品で、ブツブツと愚痴の多いタフガイのキャラクターは、ブルース・ウィリスのイメージを決定付けました。ジョン・ウェインやクリント・イーストウッドなどが演じていた昔のヒーローのイメージは、寡黙で不器用ながら、正義感が強く、やたらにタフでケンカが得意というタイプでしたが、ブルース・ウィリスが演じる主人公ジョン・マクレーンは、超人的な体力と、敵の行動を読む洞察力を持ちながらも、ブツブツと愚痴が多く、弱音を吐くという人間味のあるキャラクターで、映画ファンに強烈な印象を残しました。アクションシーンの迫力も魅力ですが、何と言っても、この人間味のあるキャラクターが最大の魅力になっています。主人公であるマクレーンの愚痴の他にも、無知で自分本位のマスコミの失態や、ＦＢＩと市警の主導権争いなど風刺の効いたユーモアがあり、愚痴の多いニューヒーローの活躍と、皮肉タップリのユーモアが楽しめる娯楽作品の傑作です。ただし、メッセージ性の強い言葉や、哲学的な感動が欲しい方には向かないかもしれません。

カリフォルニアはいいところだぜ

　ニューヨークからカリフォルニアへやって来て、すぐに事件に巻き込まれてしまった主人公のマクレーン刑事が愚痴をこぼします。マクレーン刑事のキャラクターが一番象徴的に描かれている場面で、何度観ても笑えます。ちなみに、このシーンの英語のセリフは、カリフォルニアについての旅行会社のキャッチフレーズを皮肉タップリの口調でつぶやいてます。

なぜ、日本企業なのか？

　犯人たちが狙うのはナカトミという日系企業のビルですが、この当時、日本の対米貿易黒字が大きくなり、日米貿易摩擦が問題となっていました。自動車など日本製の製品に押されてアメリカ製の販売が落ち込み、反日感情が高まっていた時期なので、強欲にアメリカに進出してきた日本企業をターゲットにして、アメリカ人の反日感情を利用したのかもしれません。私たち日本人としては、あまりいい気分ではありませんが、バブル期の日本企業の海外進出は、目に余るものがあったのも事実です。

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