１９６０年代、キング牧師などの公民権運動によって人種差別撤廃が叫ばれていたが、地方の都市では人種差別の風潮が根強く残っていた。ヴァージニア州アレキサンドリアのような田舎町でも、改革の波が押し寄せ、地元住民の大反対にも関わらず、白人の高校と黒人の高校が統合され、白人と黒人が在籍するフットボールチーム、タイタンズが誕生する。そして、長年ヘッド・コーチを務めていたビル・ヨーストの代わりに、黒人のハーマン・ブーンが就任し、ビル・ヨーストは、アシスタント・コーチとしてチームに残る事になる。ブーンコーチの指導でチームは実力をつけていくが、白人選手と黒人選手の対立、差別主義者の嫌がらせなど様々な問題に直面してしまう・・・。

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　２０００年アメリカ作品。監督は『アップタウン・ガールズ』などのボアズ・イェーキン、出演は、『ザ・ハリケーン』『マイ・ボディガード』などのデンゼル・ワシントンと、『アルマゲドン』『プロフェシー』などのウィル・パットン、そして、『リーマン・ジョー』『チアーズ３』のヘイデン・パネッティーアも子役で出演しています。小さな田舎町のフットボール・チームが差別意識を乗り越えて快進撃を続けた実話を元にした感動のスポーツドラマ。

　これはスポーツ映画の中でも最高傑作ですが、実話を元にしているという事で、いい意味で衝撃的な感動を味わえます。新任のコーチの就任でチームが強くなるというのは、よくある話ですが、実話をベースにしているので、このチームには飛びぬけたスーパースターは存在せず、チームワークの良さで勝ち進んでいきます。こういった所にもリアリティがあり、フットボールチームの快進撃だけでなく、人種を超えた友情によって選手たち、地元住民たちが人間的に成長していく過程も本当に感動的です。主演はデンゼル・ワシントンが演じるブーンコーチですが、この物語の中で最も印象的なのは、キャプテンのゲリー。人種差別的な偏見から人間を判断せずに、人間の本質を見極め、偏見を持つ友人や家族にも、外見で人間を判断しないようにアドバイスします。個人的に友達になりたいぐらいに人間的に最高のキャラクターで、この物語の中で最も重要なキャラクターだと思います。この作品は実話を元にしているので、ゲリーが直面した試練も実話です。こんな善人に限って、どうして厳しい試練が多いのか？ちょっと悲しくなってしまいますが、多分、こんな試練にも意味があるのでしょう。日本では、人種差別はあまり関係の無い話題のように思われていますが、今、日本にも多くの外国人が暮らすようになっていますし、イジメの問題も人種差別の問題と似た部分があるので、この作品のテーマは、日本人にとっても重要なテーマだと思います。作品の内容は最高で文句の付けようの無い感動作で、主演のデンゼル・ワシントンの信念の強いキャラクターも魅力的ですし、ヨーストコーチの娘役で出演しているヘイデン・パネッティーアのフレッシュな演技も抜群のアクセントになっています。ただ、６０年代を舞台にしているので、若い世代の方にとっては、音楽や、服装などがかなり古臭い感じがするかもしれません。勿論そんな事は、この作品の本質とは関係ないので、偏見を持たずに観ていただければ、絶対に感動できると思います。

今まではコーチのおかげだ

　新任コーチのブーンのおかげで、人種の壁を乗り越えチームがひとつにまとまりかけますが、結局、周囲の差別意識に流されチームがバラバラになりかけてしまいます。タイタンズのメンバーは、そんな自分たちの子供じみた態度に気づき、自分たちで結束を強めていきます。コーチに与えてもらったアドバイスを、自分たちで生き方に実践できるかどうかは自分たち次第。偏見を捨てて協力し合おうと自分たちで考え、行動するタイタンズの姿は、私たちに強烈なメッセージを与えてくれます。

人間の見かけではなく、魂を信じろ

　決勝戦の前半、相手チームにすっかり戦術を読まれてしまい不利な状況に陥ってしまったタイタンズ。アシスタントコーチのヨーストは、自分の意地を捨ててブーンコーチに協力を求めます。ある程度結果を出している人は、自分のプライド、意地があり、なかなか人のアドバイスを素直に聞けないものですが、自分のプライドにこだわりすぎずに、人の意見も聞き協力し合った方が、いい結果を出せるような気がします。

 

　《　検索用　》

デンゼル・ワシントン
ウィル・パットン
ヘイデン・パネッティーア

 

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