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40歳の童貞男
 
The 40 Year Old Virgin

●監督
ジャド・アパトウ

●キャスト
スティーヴ・カレル
キャサリン・キーナー

■ ストーリー ■


 家電店で商品管理に仕事をしているアンディは、車に関心が無く、40歳になっても自転車で通勤している。ある日、職場の仲間とポーカーをしている時に、40歳になっても、まだ童貞だという事を仲間に知られてしまい、次の日から、職場の仲間たちにナンパを強要されて無理に飲みにいかされるハメになってしまう。そんなある日、お客のトリシュという女性と知り合いになり、彼女に気に入られてデートするのだが・・・。

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■ レビュー ■

 

 2005年アメリカ作品。監督はジャド・アパトウ 、出演は、『ゲット・スマート』のスティーヴ・カレル、『8mm』『アウト・オブ・サイト』のキャサリン・キーナーなど。40歳を過ぎて、まだ童貞の男の恋愛を描いたコメディ作品。

 40歳を過ぎて童貞という、ある意味では、衝撃的なテーマを描く爆笑コメディですが、出演者がロック・バンドのTシャツを着ていたり、ロックの名曲が使われていたりと、クラッシックロックのファンにも楽しめる作品になっています。この作品の主演スティーヴ・カレルが脚本と製作総指揮も担当、しかも、この作品の後に主演した『ゲット・スマート』でもオタクを登場させてしているので、オタクの生態を理解した人物なのかもしれません。オタク系の人が観るとムカつくシーンも多いのかもしれませんが、下ネタを中心に爆笑できるユーモア満載のコメディ作品になっています。出演者のアドリブを優先させて撮影されたというだけあって、テンポのいい会話の中にも、予測できない意外なジョークが次々に飛び出して、飽きずに最後まで観る事のできる作品になっていますが、恋愛のテーマについても意外にまともなオチがついて好感が持てます。ただし、自分がオタクだと自覚している人だと、笑えない部分も多いかもしれません。逆にムカつくかもしれないので、そういう方は、観ない方がいいかもしれません。

 製作総指揮、脚本、主演をしているスティーブ・カレルは、本当にオタクなのか、かなりオタクの価値観、行動パターンを熟知しているようです。私の友人にも一人だけ、こういうタイプがいるんですが、あまりにも主演のアンディに似ていて驚きました。いくつか例を挙げると、@やたらに映画を観ていて詳しい、Aコレクターで色々なものを収集している。B将来はステレオショップを経営したいと思っている。Cエイジアのファンである。Dファッションに関心が無い、などなどですが、こんな友人が身近にいると、かなり笑えると思います。失礼だったのかもしれませんが、あまりにも共通点が多かったので、私は、この作品のDVDを、その友人にプレゼントしてしまいました。

愛する人が現れるまでは・・・

 女性を崇高な存在だと考えているアンディは、愛の無い付き合いを嫌っています。女性を神格化するほど特別視するのはどうかと思いますが、女性の美しさに憧れ、敬意を持つという気持ちには感心させられます。一般的にはバカにされるかもしれませんが、体だけが目当ての付き合いが当たり前のようになった今の時代では、本当に愛する人が現れるのを待つという気持ちには、新鮮な感動を与えてくれます。40代で童貞でも、本当に愛する人が現れるのを待っているのなら、別にいいんじゃ無いでしょうかね。


名シーン

笑われたろ

 アンディの部屋に飾ってあるエイジアのフレーム入りポスターを観て仲間がバカにします。このジャケットは、80年代に大ヒットしたエイジアというバンドのデビューアルバムのジャケットですが、エイジアの元メンバーだったスティーブ・ハウが在籍していたイエスというバンドは、音楽性もジャケットアートのセンスも抜群だったので、このアルバムジャケットは評判が悪く、そんなジャケットを部屋の飾っているアンディのセンスがバカにされています。ロックファンなら爆笑でしょうね。

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ガイド

エイジアを聴くとゲイ?
  
  この作品の中で、コールドプレイを聴いているとゲイ、エイジアを聴いているとゲイなんてセリフが出てきますが、コールドプレイやエイジアのファンだとゲイだと疑われるというわけではありません。一般的に、ゲイの人たちは、ハードロックなどのヘヴィなサウンドより、ソフトでポップなサウンドを好む為、コールドプレイやエイジアなどポップなサウンドのバンドを挙げているだけです。コールドプレイ、エイジアのファンの方は、ご安心ください。

テーマ曲はジョー・ウォルシュ

 この作品のオープニングで使われているのはイーグルスのメンバーとしても有名なジョー・ウォルシュの『蜃気楼』という曲です。かなりマイナーな曲ですが、夢見がちなオタクであるアンディを象徴しているのかもしれません。この曲の他にも、エイジアの大ヒット曲『ヒート・オブ・ザ・モーメント』など軽快なロックナンバーが使用されていて、製作者が、かなりのロック通だという事が感じられます。この2曲を中心の映画の中で使われている曲を収録したサウンドトラックも発売されています。



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