ジェフ・ベック伝説のはじまり
ヤードバーズを脱退したジェフ・ベックは、1967年にリーダーバンドを結成。日本ではアルバム『トゥルース』『ベック・オラ』の初期の2枚のアルバムでの活動期を第1期ジェフ・ベック・グループ、『ラフ・アンド・レディ』『ジェフ・ベック・グループ』の2枚のアルバムの活動期を第2期ジェフ・ベック・グループと呼んでいます。
第1期グループのメンバーはヴォーカルが後にフェイセズやソロで活躍するロッド・スチュワート、ベースが後にロッドと共にフェイセズで活動し、その後ローリングストーンズのメンバーとなるロン・ウッド、ドラマーはエインズレー・ダンバー、ミック・ウォーラー、トニー・ニューマンなどが担当していました。 またピアノでニッキー・ホプキンスが参加。デビューアルバム『トゥルース』はビルボードチャートの15位まで上昇しヒットアルバムになります。ブルースを基盤にしたへヴィロック、そしてブリティッシュトラッドを取り入れた音楽性は、世界中のミュージシャンに影響を与えました。セカンドアルバム『ベック・オラ』も前作同様にヒットしますが、ロッドとロンが脱退しジェフ・ベックはカーマイン・アピス、ティム・ボガートとともにバンドの結成を準備しますが、交通事故の為に入院、バンドの結成を断念します。
第2期ジェフ・ベック・グループでは、へヴィなブルースロックという音楽性から一転してファンクミュージックをプレイします。メンバーはキーボードにマックス・ミドルトン、ベースにクライブ・チャーマン、ヴォーカルがボブ・テンチ、後にハードロック、ヘヴィメタルのジャンルで様々なバンドで活動するコージー・パウエルがドラム。コージー・パウエルのドラムは、この頃から26インチのバスドラムをツーバスで使用するパワフルなスタイルですが、繊細なプレイも多くクライヴ・茶ーマンのファンキーなベースとボブ・テンチのソウルフルなヴォーカルによってファンク、ソウル色の強いサウンドカラーになっていて、マックス・ミドルトンとジェフ・ベックの対象的なリードプレイも実に魅力的でした。また、この時期にインストルメンタルナンバーの質が洗練されてきて、後のフュージョンサウンドの名盤『ブロウ・バイ・ブロウ』の下地が出来ていた時期としても興味深い時期です。ジェフ・ベックの長いキャリアの中で唯一ファンクを中心にプレイしていたバンドなので、私も含めて一部に熱狂的なファンがいてリマスター盤やSACDなど高音質盤も発売されて人気があります。