ジミ・ヘンドリックス最後の名盤

　１９７１年発売、ジミ･ヘンドリックスの死後に追悼盤として発売された未発表曲集。全米チャートで３位を記録。『自由』『イージー・ライダー』などを収録。オリジナルレコーディングアルバムではありませんが、名盤『エレクトリック・レディランド』がレコーディングされた頃の未発表曲が多い為、編集盤にしては名曲ぞろいのアルバムになっています。ジミ・ヘンドリックスの最後の名盤です。

　ファンにとってはありがたいアルバムです。このアルバムはジャムセッションの音源やライブ音源の寄せ集めではなく、未発表のスタジオレコーディングテイクと、ジミが残したラフミックスにベース、ドラムなどを後からオーヴァーダビングして完成させた曲が収録されているので、ジミのオリジナル曲に飢えていたロックファンにとっては、まさに恵みの雨のような価値があります。１曲目から４曲目はほとんどレコーディングが完了していたテイク、５曲目の『僕の友達』は、『エレクトリック・レディランド』発表時にお蔵入りになった曲、６曲目から１０曲目までは、ジミの歌とギターしか録音されていなかったテイクにドラム、ベースなどをミッチ・ミッチェル、ビリー・コックスなどがオーヴァーダビングで録音し完成させてテイクという内容になっています。５曲目の『僕の友達』はベーシックなブルースナンバーですが、そのタイトル通りに友達とジャムセッションを楽しんでいるという感じで緊張感が無く、まぁ、ボツになってもしょうがないという出来です。また、６曲目から１０曲目のテイクは既に録音してあったジミの演奏に合わせて録音した為にアレンジにメリハリが無くルーズな演奏に感じますが、ジミが不在でアレンジを練り直すなどの作業が出来ない以上、仕方が無いでしょう。しかし、うれしい驚きだったのは、アウトテイクとは思えない程上質な仕上がりの１曲目から４曲目です。１曲目『フリーダム』、３曲目『イージー･ライダー』では、ジミ・ヘンドリックスで無ければ創れない独創的なリフを堪能できます。編集盤や未発表曲集にはガッカリさせられる事が多いですが、このアルバムはオリジナル盤では無いものの、ジミの才能の遺産をしっかりと封印しているので、最後の名盤と呼んでいいと思います。

　ジミ・ヘンドリックス自身は、ミッチ・ミッチェル、ノエル・レディングと共にエクスペリエンスの再結成を熱望していたそうです。グルーヴ感の弱い白人リズムセクションではありますが、イタズラ好きで行動が予測できない子供のような奔放なプレイをするミッチ・ミッチェルと、あまり協調性の感じられない冷めたベーシストのノエル・レディングのプレイが、ジミにとっては一番刺激的でイマジネーションが溢れてくるメンバーだったのかもしれません。思わぬプレゼントをもらったような編集盤ですが、欲を言えばエクスペリエンスのメンバーで５曲目から１０曲目までレコーディングして欲しかったですね。

 

　

 

■　イージー･ライダー　■

　このアルバムで一番有名なのはこの曲でしょう。ジミ・ヘンドリックスらしいクセのあるリフで、ジミヘン・フリークにはたまらいないですね。この曲のライブテイクなんていうのも聴きたかったですね・・・。

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廃盤です

　廃盤ですが、国内盤、輸入盤ともにタイミングが良ければ中古品が見つかります。ちょっと高めですが、私も中古品で見つけました。音質の悪いライブ盤や既出の作品を編集したアルバムよりは価値のある１枚なので、ジミヘン・フリークは早めに購入しておいた方がいいでしょう。

 

 

 

 

 

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