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ディパーチャー
DEPARTURE
1. お気に召すまま
2. ウォーク・ライク・ア・レディ
3. いつの日か…
4. 感じてほしい…
5. 至上の愛
6. 消えたあの娘
7. 泣きぬれて
8. バイバイ、スージー
9. ディパーチャー
10. グッドモーニング・ガール
11. 僕のそばに…
12. ホームメイド・ラヴ
13. ナチュラル・シング
14. リトル・ガール
1. Any Way You Want It
2. Walks Like A Lady
3. Someday Soon
4. People And Places
5. Precious Time
6. Where Were You
7. I'm Cryin'
8. Line Of Fire
9. Departure
10. Good Morning Girl
11. Stay Awhile
12. Homemade Love
13.Natural thing
14.Little Girl

新たなる旅立ち!

 1980年発売、ジャーニーの6作目のスタジオレコーディングアルバム。スティーヴ・ペリーをヴォーカリストに迎えて3作目。プログレッシブロックのような演奏力にスティーヴ・ペリーのリードヴォーカルを生かしたサウンドが完成したアルバムであり、大ヒット曲『お気に召すまま』を収録、初期ジャーニーのような空間表現力豊かな楽曲も含む名盤。

 ジャーニーのデビュー当時からヴォーカルを担当していたグレッグ・ローリーがキーボードに専念しスティーヴ・ペリーのヴォーカルが十分に生かされたアルバムです。独特のブルージーな味わいはあるもののヴォーカリストとしての力量がいま一つだったグレッグ・ローリーは、ジャーニーの宇宙空間を思わせる曲には物足りなさがありました。本作ではスティーヴ・ペリーのハイトーンヴォーカルを生かし、なおかつプレイヤー同士のバトルも楽しめる玄人好みのアルバムで、この後大ヒットを記録する『エスケイプ』や『フロンティアーズ』などよりも評価の高いアルバムです。強烈なギターリフを中心にした『お気に召すまま』『消えたあの娘』『ホームメイド・ラブ』などはハードロック風、『ウォーク・ライク・ア・レディ』『バイバイ、スージー』ではスティーヴ・スミスのグルーヴ感を生かしジャジーなリズムアンドブルース、ジャーニーお得意の宇宙空間を想起させる壮大なナンバー『いつの日か…』『感じてほしい…』『至上の愛 』、二ール・ショーンのギタリストとしてのイマジネーションの豊かさに驚かされるアルバムタイトル曲の『ディパーチャー』、スティーヴ・ペリーのヴォーカリストとしての力量を思い知らされる『グッドモーニング・ガール』『僕のそばに…』と捨て曲が一切無い密度の濃いアルバムに仕上がっています。特に二ール・ショーン、スティーヴ・スミスのファンには絶対に外せない名盤でしょう。

 宇宙空間を表現するというコンセプトの元に製作されているらしく、ドラムにもエフェクト処理がされているなど広大な宇宙空間を浮遊するような音質で統一されていて、バリエーション豊かなアルバムでありながらアルバム全体に統一感があります。リマスター盤では二ール・ショーンのギターの音がクリアになり一層きらびやかなギターサウンドが楽しめます。

    

 

■ 消えたあの娘 ■

 このアルバムの発売当時、必ずライブのオープニングで演奏されていたハードロックナンバー。ライブでは速いビートで演奏されドラムソロで始まります。エッジの効いたギターリフがカッコイイ名曲ですが、MSGの『アームド・アンド・レディ』にそっくりなリフですね。まぁ、両方とも80年に発表されているのでパクったわけではないでしょうが、MSGの『アームド・アンド・レディ』の方が有名になってしまいました。

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リマスター盤にはボーナストラック2曲追加

 ボーナストラックというのは大体はボツになった曲とかライブ音源が多いので普段は気にしないんですが、このアルバムのリマスター盤には、幻の名曲『リトル・ガール』が収録されています。1981年に日本を代表するデザイナー高田賢三が、『夢・夢のあと』という日本映画で映画監督としてデビュー、その映画のサウンドトラックの製作をジャーニーのメンバーが快諾した事から『夢・夢のあと』のサウンドトラックアルバムが発売されました。このアルバムは、マニアックなファンしか知らないマイナーな作品で、サウンドトラックアルバムなので映像用のインストルメンタルナンバーばかりが収録されているんですが、唯一ヴォーカルのある『リトル・ガール』という名曲が収録されています。今回ボーナストラックとして『ディーパーチャー』に収録され幻の名曲をサウンドトラック『夢・夢のあと』を買わずに楽しめるようになったのは大きな収穫です。アルバム『夢・夢のあと』は典型的なサントラで、環境音楽のようなインストルメンタルナンバーばかりなので、『リトル・ガール』1曲の為に買うのをためらっていたファンも多いと思います。私もそんな一人でしたが、『ディパーチャー』のリマスター盤を買えば、『リトル・ガール』が聴ける!と知って、すぐに購入しました。美しい姉妹と三角関係になってしまう悲恋を歌った曲なんですが、名曲ですよ本当に。もしかしたら悲壮感という意味では、ジャーニーの名曲の中でも一番でしょう。最新リマスター盤にはボーナストラックが収録されていますが、古いCDには収録されていないので確認してから購入した方がいいでしょう。

 

映画『夢・夢のあと』

 ジャーニーが音楽を担当しているという事で、テレビで放送された時に観ました。深夜枠でした。デザイナーとして世界的な名声を得ていたケンゾーの初監督作品という事で、かなり異例の映画製作で、一応日本映画なんですが、登場人物を演じる俳優は全て外国人、サントラはジャーニーが担当するという豪華なスタッフでした。ストーリーはシンプルで、見知らぬ国に迷い込んだ青年が、その国の女王姉妹と三角関係の恋愛で苦しみ、姉妹は苦しみの果てに鳥に変わってしまうというものですが、ギリシア神話のような寓話的な作品で、映像美と哲学的な解釈を楽しむ作品でした。さすがデザイナーとして名声を勝ち取ったケンゾー!全体的に映像は美しく、この世の出来事とは思えない描写が見事でしたが、ストーリーがシンプルすぎて心に残る啓発的セリフが少なかった事と当時の特撮技術では、ケンゾーのイメージ通りの映像が作れなかった事が災いして無残なエンディングとなり大失敗に終わりました。ケンゾー本人もこの作品には不満だったらしく、ビデオテープでも発売されていません。なので当然DVDも未発売。映像芸術としてだけでも価値がありそうですし、当時は分からなかった哲学感などもあるかもしれないのでもう一度観たいのですが、多分、映像化は無理でしょうね。当時セクシー女優として、日本でも人気のあったアニセー・アルビナという女優が出演している数少ない映画という意味でも価値があると思いますが、DVDの発売は無理っぽいなぁ・・・。

 

 

 

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