リマスター盤にはボーナストラック2曲追加
ボーナストラックというのは大体はボツになった曲とかライブ音源が多いので普段は気にしないんですが、このアルバムのリマスター盤には、幻の名曲『リトル・ガール』が収録されています。1981年に日本を代表するデザイナー高田賢三が、『夢・夢のあと』という日本映画で映画監督としてデビュー、その映画のサウンドトラックの製作をジャーニーのメンバーが快諾した事から『夢・夢のあと』のサウンドトラックアルバムが発売されました。このアルバムは、マニアックなファンしか知らないマイナーな作品で、サウンドトラックアルバムなので映像用のインストルメンタルナンバーばかりが収録されているんですが、唯一ヴォーカルのある『リトル・ガール』という名曲が収録されています。今回ボーナストラックとして『ディーパーチャー』に収録され幻の名曲をサウンドトラック『夢・夢のあと』を買わずに楽しめるようになったのは大きな収穫です。アルバム『夢・夢のあと』は典型的なサントラで、環境音楽のようなインストルメンタルナンバーばかりなので、『リトル・ガール』1曲の為に買うのをためらっていたファンも多いと思います。私もそんな一人でしたが、『ディパーチャー』のリマスター盤を買えば、『リトル・ガール』が聴ける!と知って、すぐに購入しました。美しい姉妹と三角関係になってしまう悲恋を歌った曲なんですが、名曲ですよ本当に。もしかしたら悲壮感という意味では、ジャーニーの名曲の中でも一番でしょう。最新リマスター盤にはボーナストラックが収録されていますが、古いCDには収録されていないので確認してから購入した方がいいでしょう。
映画『夢・夢のあと』
ジャーニーが音楽を担当しているという事で、テレビで放送された時に観ました。深夜枠でした。デザイナーとして世界的な名声を得ていたケンゾーの初監督作品という事で、かなり異例の映画製作で、一応日本映画なんですが、登場人物を演じる俳優は全て外国人、サントラはジャーニーが担当するという豪華なスタッフでした。ストーリーはシンプルで、見知らぬ国に迷い込んだ青年が、その国の女王姉妹と三角関係の恋愛で苦しみ、姉妹は苦しみの果てに鳥に変わってしまうというものですが、ギリシア神話のような寓話的な作品で、映像美と哲学的な解釈を楽しむ作品でした。さすがデザイナーとして名声を勝ち取ったケンゾー!全体的に映像は美しく、この世の出来事とは思えない描写が見事でしたが、ストーリーがシンプルすぎて心に残る啓発的セリフが少なかった事と当時の特撮技術では、ケンゾーのイメージ通りの映像が作れなかった事が災いして無残なエンディングとなり大失敗に終わりました。ケンゾー本人もこの作品には不満だったらしく、ビデオテープでも発売されていません。なので当然DVDも未発売。映像芸術としてだけでも価値がありそうですし、当時は分からなかった哲学感などもあるかもしれないのでもう一度観たいのですが、多分、映像化は無理でしょうね。当時セクシー女優として、日本でも人気のあったアニセー・アルビナという女優が出演している数少ない映画という意味でも価値があると思いますが、DVDの発売は無理っぽいなぁ・・・。
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